植物肉のDAIZが国内初 経産省・農水省の融資制度併用で資金調達2023年10月13日
次世代植物肉原料「ミラクルミート」を開発・製造するフードテックのDAIZは、中小企業基盤整備機構の「ディープテックベンチャーへの民間融資に対する債務保証制度」と日本政策金融公庫の「農林水産物・食品輸出基盤強化資金」を国内で初めて併用し、三菱UFJ銀行をアレンジャーとするシンジケートローンと日本政策金融公庫による制度資金(デットファイナンス)による融資契約を締結した。
同融資契約による資金調達と併せて、シリーズCラウンドにおいて資本提携先6社および金融投資家5社を引受先とする第三者割当増資(エクイティファイナンス)を実施。シリーズCラウンドでの資金調達額は総額71億円超を達成し、累計調達額は国内フードテック業界で最高額の131億円超となった。
調達した資金は、2025年2月の操業開始を計画しているDAIZミラクルミート工場(仮称)の第1期工事に投資を予定。新工場は熊本空港近くの工業団地「くまもと臨空テクノパーク」内4万㎡の敷地に建設を予定しており、環境負荷の低減や生産効率向上、技術開発の観点において独自設計を施した工場を目指す。新工場では年間2万トンのミラクルミート生産を見据え、第1期工事では年間8000トンの生産能力を計画。2025年2月からの操業開始を予定している。
DAIZは現在、パートナー企業と共に欧州、北米、アジア圏の植物肉マーケットへの積極的なアプローチを推進。今回の新工場建設でより強固なミラクルミートの生産体制を確立することで国内市場の拡大と海外への輸出戦略を加速化させる。
資金調達の概要
同社はこのファイナンスに先立ち、経済産業省から産業競争力強化法に基づく「革新的技術研究成果活用事業活動計画」の認定を受け、中小企業基盤整備機構によるディープテックベンチャーへの民間融資に対する債務保証制度(保証率50%)が利用可能となった。これにより、三菱UFJ銀行をアレンジャー、農林中央金庫をコ・アレンジャーとして、金融機関8行が参加するシンジケートローン契約(総額17億円)を締結した。
また、農林水産省から農林水産物・食品輸出促進法に基づく「輸出事業計画」の認定を受け、国内で生産された農林水産物・食品の輸出に取り組む事業者向けの融資制度である「農林水産物・食品輸出基盤強化資金」の活用が可能となり、日本政策金融公庫より17億円を調達する契約を締結した。
中小企業基盤整備機構の債務保証制度「ディープテックベンチャーへの民間融資に対する債務保証制度(革新的技術研究成果活用事業円滑化債務保証制度)」と日本政策金融公庫の制度資金「農林水産物・食品輸出基盤強化資金」の両制度を併用してのデットファイナンスは国内初の事例となる。また、両制度ともに制度上の最長期間が適用されるとともに、両制度の活用によりデットファイナンス全体に係る費用総額(オールインコスト)は実質的に年率1%台の低水準に抑えることに成功している。
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