有機農産物の新たな流通方式確立に向け実証開始 セラク2024年10月18日
株式会社セラクは、物流効率化による配送コスト低減を目的に、有機農産物の新たな流通方式の確立に向けて実証を開始。東京富士青果株式会社(東京都中央卸売市場板橋市場 青果卸売事業者)、株式会社大治(東京都中央卸売市場大田市場 青果仲卸事業者)などと立ち上げた「板橋市場活用型有機農産物物流実証実験プロジェクト」として、有機農産物の新たな流通方式の確立に向けた実証に取り組む。
今後有機農産物の生産量が増大が予想される一方、国内の食品市場における有機農産物は、国内農業総生産額の2%に満たない2000億円程度にとどまっている。
有機農産物の需要が拡大しない要因の一つに、その多くが小口取引であるため、宅配便などの個別配送による輸送が行われ、輸送コストが高いことが挙げられる。"物流2024年問題"が顕在化する中、今後、こうした小口輸送のコストはますます上昇して行くことが予想される。
こうした状況を受け同協議会は、有機農産物の輸送コストを従来と比べて30%低減することを目的に、オンライントレードプラットフォームを活用した商流の取りまとめによる大ロット化と、産地ー市場間を結ぶ安価な市場便を活用した物流の効率化を行い、有機農産物の新たな流通方式を確立に向けた実証を行う。
実証実験のイメージ
オンライントレードプラットフォームでは、産地が有機農産物の出荷予定、希望価格を登録し、その情報をもとに仲卸が実需企業と交渉。産地で希望価格を決定するため、慣行野菜の市況価格や同社がウェザーニューズと共同で開発を行った産地出荷量予測情報を提供する。これらの情報により、慣行野菜の市況を踏まえながら、有機農産物特有の相場の形成がなされることが期待される。
また、取引が成立した有機農産物の輸送は、産地と市場を結ぶ市場便を活用し、慣行野菜との共同輸送することで輸送コストを抑える。市場では、有機JAS小分け認証を有する大治によって小分けが行われ、実需者に配送される。
今回の実証を通じて、市場を活用した有機農産物の新たな流通方式が確立されることで、物流2024年問題の緩和や、有機農産物需要の拡大といった効果が期待される。
なお、同実証事業は農林水産省「令和5年度 物流生産性向上推進事業」(事業主体:公益財団法人食品等流通合理化促進機構)の支援により実施される。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(140)-改正食料・農業・農村基本法(26)-2025年5月3日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(57)【防除学習帖】第296回2025年5月3日
-
農薬の正しい使い方(30)【今さら聞けない営農情報】第296回2025年5月3日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】「盗人に追い銭」「鴨葱」外交の生贄にしてはならぬ農産物2025年5月2日
-
【2025国際協同組合年】情報を共有 協同の力で国際協力 連続シンポスタート2025年5月2日
-
イネカメムシが越冬 埼玉、群馬、栃木で確認 被害多発の恐れ2025年5月2日
-
九州和牛をシンガポール人に人気のお土産に 福岡空港で検疫代行サービスを開始 福岡ソノリク2025年5月2日
-
就労継続支援B型事業所を開設し農福連携に挑戦 有機農家とも業務提携 ハピネス2025年5月2日
-
宮崎ガス「カーボン・オフセット都市ガス」 を県庁などに供給開始 農林中金が媒介2025年5月2日
-
5月29日から「丸の内 日本ワインWeeks2025」開催 "日本ワイン"を学び、楽しむ3週間 三菱地所2025年5月2日
-
協同心の泉 大切に 創立記念式典 家の光協会2025年5月2日
-
【スマート農業の風】(14)スマート農業のハードルを下げる2025年5月2日
-
(433)「エルダースピーク」実体験【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年5月2日
-
約1cm程度の害虫を強力捕獲「吊るしてGET虫ミニ強力タイプ」新発売 平城商事2025年5月2日
-
農中情報システム 自社の導入・活用のノウハウを活かし「Box」通じたDX支援開始2025年5月2日
-
洗車を楽しく「CRUZARD」洗車仕様ホースリールとノズルを発売 コメリ2025年5月2日
-
戦後80年の国際協同組合年 世代超え「戦争と平和」考える パルシステム神奈川2025年5月2日
-
生協の「地域見守り協定」締結数 全市区町村数の75%超の1308市区町村に到達2025年5月2日
-
ムコ多糖症ニホンザルの臨床徴候改善に成功 組換えカイコと糖鎖改変技術による新型酵素2025年5月2日
-
エフピコ×Aコープ「エコトレー」など積極使用で「ストアtoストア」協働を拡大2025年5月2日