JAとして初、密閉型植物工場に参入2013年3月26日
東電福島第一原発事故による汚染や風評被害に苦しむ福島県のJA東西しらかわでは、密閉型植物工場による野菜栽培をすることにし、3月22日に工場建設の調印式を行った。
◆日産3000株を目標に
JA東西しらかわ(鈴木昭雄代表理事組合長、福島県白河市)は、(株)みらい(嶋村茂治代表取締役社長、千葉県松戸市)と完全密閉型植物工場建設の契約調印式を3月22日に白河市表郷庁舎で行った。
調印式には福島県、白河市の行政機関、JA福島中央会、支援組織として千葉大学、NPO植物工場研究会、ジュリス・キャタリスト、中島肇法律事務所の関係者が出席した。
密閉型植物工場はLEDなどの人工光と二酸化炭素、養液栽培で野菜などを生産するシステム。
JA東西しらかわは育苗・栽培プラント床面積約500平方m、栽培床は10段構造の設計で年内完成をめざし、日産3000株のレタス・ミ二白菜を無農薬栽培で年間を通じて安定的に生産販売する計画だ。
特に注目をされるのは腎臓病患者に提供できる機能性野菜(低カリウムレタス)だ。
(写真)
植物工場内部の様子(イメージ)
◆世界最先端の技術を駆使
調印式に来賓として参加した千葉大前学長の古在豊樹名誉教授は「千葉大柏の葉キャンパスにある植物工場実証施設は年間約1万人の視察者(うち外国人は約1000人)を迎えるほど多様な業種、海外から注目を集めている。ようやく農業の本流であるJAが植物工場を建設決定に至ったことは喜ばしことであり、特に原発事故にあった福島県において世界で最先端の技術を駆使した密閉型植物工場の建設、運営をすることは世界的に注目を集めることになる」とコメントした。
本事業は産官学連携、震災復興・地域活性化のモデル事業であり、医療と農業の医農連携の事業としても期待されている。
(写真)
植物工場完成予想図
(関連記事)
・198社が出展し施設園芸・植物工場展開催(2012.06.06)
・【対談シリーズ】21世紀は植物の時代 古在豊樹 NPO植物工場研究会理事長(前千葉大学学長)(2012.05.31)
・植物工場など新農業システム、700億円市場に(2012.04.09)
・被災地の学校が植物工場 農業復興にも期待 千葉大などが「畑」を共同開発(2012.02.20)
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日