イチゴにアザミウマ類 県内全域で発生 大分県2022年3月29日
大分県農林水産研究指導センター農業研究部は、イチゴにアザミウマ類の発生を県内全域で確認。これを受け、3月24日に病害虫発生予察注意報第3号を発令した。
3月中旬の巡回調査では、発生ほ場率、寄生株率ともに平年より高く、前年度よりも早い時期に急激な密度の高まりが認められた。また、10月以降平年よりも高い密度が継続して確認されている。
九州北部は2月以降少雨傾向が続き、アザミウマ類の増殖に好適な条件で推移。福岡管区気象台が3月17日に発表した1か月予報では、向こう1か月の天候は晴れの日が多く、気温は平年並~高い、降水量は平年並と予想されており、引き続き好適条件が続くと考えられる。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1)同虫は高温乾燥条件下で多発しやすく、今後気温の上昇に伴ってハウス外からの飛び込みが増加すると考えられる。寄生密度が上昇してからでは防除が困難となるため、ルーペ等を用いてイチゴの花および果実をよく観察し、早期発見に努めて速やかに防除を実施する。
(2)ほ場内および周辺の雑草はアザミウマ類の増殖源となるため、除草を徹底する。ただし、防除前に除草を行うと、ハウス外からの飛び込みにより被害が拡大する恐れがあるため、ハウス内のイチゴに対して防除を実施した後に除草を行うよう留意する。また、アザミウマ類は風で移動するため、特にハウスの風上側の除草を心がける。収穫残渣についてもアザミウマ類の増殖源となるため、埋設するなど適切に処分する。
(3)すでに多発生が認められているほ場に天敵を導入する、もしくは天敵を再度導入する場合は、薬剤によってアザミウマ類の密度を十分に下げてから導入する。
(4)天敵導入後ただちに薬剤散布を行うと殺菌剤であっても天敵への悪影響が懸念されるため期間を空ける。また防除薬剤には展着剤も含めて天敵への影響が少ないものを選定する。
(5)天敵に対する薬剤の影響は、日本生物防除協議会ホームページ内にある「天敵等に対する農薬の影響目安」を参照。
(6)受粉用ミツバチ(マルハナバチ等)に影響を及ぼす薬剤があるため、薬剤の選定には注意する。
(7)アザミウマ類はトマト、ピーマン、ネギ等、イチゴ以外にも多くの園芸作物に被害を及ぼす害虫であることから、作物体を注意深く観察し早期発見・早期防除を心掛ける。
(8)アザミウマ類の薬剤抵抗性発達を防ぐため、同一系統薬剤の連続使用は避け、ローテーション防除を心掛ける。防除に使用する薬剤は、大分県農林水産研究指導センター病害虫対策チームホームページ内にある「大分県主要農作物病害虫及び雑草防除指導指針」の「いちご」「野菜類」の項を参照する。なお、薬剤によっては指針の更新日以降に登録内容が変更されている場合があるため、容器のラベルに記載されている使用時期、使用回数等を遵守し使用する。
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