【注意報】さとうきびにメイチュウ類 久米島で多発のおそれ 沖縄県2024年6月10日
沖縄県病害虫防除技術センターは、さとうきびにメイチュウ類(カンシャシンクイハマキ及びイネヨトウ)が久米島で多発のおそれがあるとして、6月6日に令和6年度病害虫発生予察注意報第3号を発令した。
図1:ほ場での芯枯れ発生状況
沖縄県病害虫防除技術センターによると、5月中旬の久米島町において春植え3ほ場、株出し7ほ場で芯枯茎率調査を行った結果、芯枯茎率14で発生程度「多」で、発生ほ場率は100%だあった(図1)。確認されたメイチュウ類はカンシャシンクイハマキとイネヨトウ。
左から、図2:芯枯れ茎、図3:カンシャシンクイハマキ幼虫、図4:イネヨトウ幼虫
◎発生生態および被害
・メイチュウ類共通
被害ほ場およびイネ科雑草が発生源となり、ほ場に侵入する。ふ化幼虫は葉鞘の内側を下降して節部の芽や根帯から食入し、生長点を加害して芯枯れ(図2)を起こす。
・カンシャシンクイハマキ(図3)
沖縄では年6~7世代を重ね、周年発生。卵は葉や茎に1~数卵ずつ産み付けられ、1雌当たりの生涯産卵数は200~500卵に達する。被害はほ場内に散在的に発生する。
・イネヨトウ(図4)
沖縄では年5~7世代を重ね、周年発生する。卵は葉鞘の裏側に卵塊で産み付けられ、1雌当たりの生涯産卵数は400~700卵に達する。初期被害はほ場周縁部で見られ、ほ場内でスポット状や畝に沿って被害が拡大。被害が集中的に起こるため、生育初期に加害されると坪枯れを起こすこともある。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇ほ場および周辺の除草を徹底する。
〇培土時に土壌害虫の防除を兼ねた薬剤(粒剤)を施用する。
〇春植えおよび株出しでは、発芽または萌芽揃期から芯枯れを防止するため、食入初期の幼虫を想定して薬剤による予防散布を行う。
〇茎葉への水和剤等の散布は、葉鞘内に薬液がきちんと浸透するように丁寧に散布する。MEP単独成分の剤は感受性低下の報告があるため、他の剤を中心に散布する。
〇薬剤防除後、2~3週間をおいて再度防除を行うことで防除効果が高まる。
〇被害の多い地域では薬剤による一斉防除を行う。※農薬の使用にあたっては、ラベルをよく読み、登録内容を確認して正しく使用する。
※全ての写真提供:沖縄県病害虫防除技術センター
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日