【注意報】早期水稲、普通期水稲の早植地域にトビイロウンカ 県内全域で多発のおそれ 大分県2024年6月21日
大分県農林水産研究指導センターは、早期水稲、普通期水稲の早植地域にトビイロウンカが県内全域で多発のおそれがあるとして、6月20日に令和6年度病害虫発生予察注意報第3号を発令した。
大分県農林水産研究指導センターによると、6月12~18日の巡回調査では、県北部において早期水稲10圃場中2圃場でトビイロウンカの終齢幼虫を含む幼虫を確認した。幼虫の齢数から5月下旬に海外から飛来した可能性がある。
過去10年間でこの時期にトビイロウンカが確認されたことはない。平年より1か月ほど早い発生であるため、早期水稲においても坪枯れが発生する可能性がある。
早期水稲における発生状況
発生圃場率:10.0%(平年:0%、前年:0%)
株当たり虫数:0.1頭(平年:0頭、前年:0頭)
トビイロウンカと同じ海外飛来性のセジロウンカは、県北部と南部において早期水稲10圃場中3圃場で終齢幼虫を含む幼虫を確認した。また、県西部において普通期水稲8圃場中1圃場でセジロウンカの若齢幼虫を確認したことから、県内全域でトビイロウンカが飛来した可能性がある。
福岡管区気象台が6月13日に発表した向こう1か月の気象予報によると、気温は高い確率50%、平年並40%、降水量は多い確率40%、平年
並40%と予想。トビイロウンカの増殖好適条件が続くと考えられる。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇同虫は株元に生息するので、薬剤が株元に到達するように散布する。また、畦畔よりも水田の中央部に発生しやすいので水田内をよく確認する。
〇地域によって同虫の飛来時期は異なる場合があるため、発生を認めた場合は、早急に防除を実施する。
〇早期水稲においては、出穂期前後の基幹防除に同虫の対象薬剤を選択して防除の徹底を図る。
〇動力散粉機や噴霧機を所有していない農家においては、粒剤散布が簡便
で坪枯れ防止には有効。なお、粒剤散布時には湛水状態とする。
〇箱苗用の長期残効薬剤を施用した場合は2~3か月の効果が期待できるが、降雨が多い場合は残効が短くなる可能性もある。本田における発生状況を確認する。
〇防除薬剤は、大分県農林水産研究指導センター農業研究部病害虫対策チ
ームホームページ内にある「大分県主要農作物病害虫及び雑草防除指導指針」を参照。なお、薬剤によっては指針の更新日以降に登録内容が変更されている場合があるため、容器のラベルに記載されている使用時期、使用回数等を遵守して使用する。
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