【注意報】温州みかん、中晩柑類にかいよう病 県内全域で多発のおそれ 静岡県2024年8月5日
静岡県病害虫防除所は、温州みかん、中晩柑類にかいよう病が県内全域で多発のおそれがあるとして、8月2日に令和6年度病害虫発生予察注意報第4号を発表した。
葉の発病(左)、葉の病斑(右上:葉表 右下:葉裏)(提供:静岡県病害虫防除所)
静岡県病害虫防除所によると、かいよう病は、温州みかんでは例年ほとんど発生しないが、7月中旬の巡回調査では、葉の発病度は0.56(平年0.09)、果実の発病度は0.14(平年0.02)で平年より多かった。また、7月中旬の中晩柑類の巡回調査では、葉の発病度は1.82(平年0.46)、果実の発病度は1.04(平年0.21)で平年より多かった。
果実の病斑(提供:静岡県病害虫防除所)
かいよう病の病原細菌は、風雨によって飛散・感染するため、台風などの強風を伴う雨による感染の拡大が予想される。夏秋梢に感染すると越冬病斑となり、来年への影響も懸念される。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
ミカンハモグリガによる被害(提供:静岡県病害虫防除所)
〇発病枝は伝染源になるため除去する。
〇かいよう病の防除は感染前の予防が重要。感染後の防除では効果がないため、薬剤の予防散布に努める。
〇中晩柑類では、台風襲来前に予防散布を行う。
〇温州みかんでかいよう病の発生が予想される園地では、中晩柑類に準じた防除を行う。ただし、温州みかんでは6月以降の銅剤散布は中晩柑類に比べ薬害が出やすい。
〇農薬による防除については「農薬安全使用指針・農作物病害虫防除基準」を参照する。
〇強風は風ずれ等の傷や病原細菌の飛散につながるため、防風垣、防風網
の整備等を行い、防風対策に努める。
〇ミカンハモグリガの被害部は本病の発生を助長するため、ミカンハモグ
リガの防除に努め、被害枝は除去する。
〇不明な点については病害虫防除所、農林技術研究所果樹研究センター、最寄りの農林事務所、農協等に問い合わせる。
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