最も食べた野菜は「たまねぎ」「2020年野菜の総括」タキイ種苗2020年12月8日
タキイ種苗は、今年で6回目となる「野菜」に関する調査)を310人の男女を対象に実施。「2020年の野菜の総括」として今年ならではの「野菜」の世相を明らかにした。コロナ禍の影響で無人直売所・宅配など約2人に1人は「非接触での野菜の購入経験あり」と回答。また、最も食べられた野菜は「たまねぎ」で、例年と比べて購入量が増えた野菜のトップは「もやし」だった。
調査の結果、およそ2人に1人は「非接触での購入経験」があり、「無人直売所」「宅配サービス」が人気。「自炊機会の増加」「食生活に気を付けるようになった」と約7割が食生活の意識や方法に変化がみられた。
2020年に人気の野菜は「たまねぎ」。「よく食べた野菜」「高くても買う野菜」「好きな野菜」でトップだった。また、「カット野菜」の購入経験者は3年連続で増加し、8割を超えた。
2020年の食生活・野菜摂取の変化
コロナ禍における新たな生活様式の中、社会生活のあらゆる場面でソーシャルディスタンスを保つ方法が模索された2020年、「非接触での野菜の購入経験」を聞いたところ、46.5%と約半数の人が非接触での購入経験があることが分かった。
具体的な購入先として最も多く挙げられたのは「無人直売所」(45.1%)。僅差で2位は「スーパーや量販店などの宅配サービス(生協や西友、イオンなど)」(44.4%)、3位は「農家直送品」(31.3%)だった。
購入先別にその利点を聞いたところ、1位の「無人直売所」では、「新鮮な野菜が買える」(40.0%)が最も多い理由で、収穫して間もない新鮮な野菜を購入できる点。また、2位の「お得に購入できる」(38.5%)など、直売所ならではの利点が支持されていることが分かった。
2位の「スーパーや量販店などの宅配サービス」は、「外出せずに済むのが便利」(59.4%)が約6割。「一度にたくさん買うことができる」(39.1%)が約4割で、自宅まで届けてもらえる通販ならではの利便性が挙げられた。また、3位の「農家直送品」は、「生産者の顔が分かる野菜を買える」(51.1%)、「生産者を支援することができる」(48.9%)がそれぞれ約半数だった。
利用者は購入先ごとに異なる魅力や利便性を実感し、それによってそれぞれの購入先を使い分けている様子がうかがえる。
約7割が「自炊の機会が増えた」
2020年に食生活における意識や行動に変化があったか聞いたところ、68.4%と約7割の人が「変化があった」と回答。コロナ禍で日常生活や食生活に影響が及ぶ中、多くの人の日頃の食生活に対する意識にも変化が起き、行動にも影響がもたらされた。
具体的な変化では、1位「自炊する機会が増えた」(67.9%)が約7割。コロナ禍により自宅で過ごす時間が増えたことも、自炊機会の増加に大きくつながったと考えられる。2位は「食生活に気を付けるようになった」(54.2%)、3位「野菜を積極的に摂取するようになった」(41.0%)となり、健康意識の高まりが感じられる。また、5位は「規格外や訳あり野菜の消費意識が高まった」(17.0%)で、自炊機会が増えて買い物をする機会も増えていることが考えられ、SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」でも問われているフードロス削減のための意識が高まっている。
よく食べた野菜は「たまねぎ」
2020年に食べる機会が多かった野菜」は、「たまねぎ」(64.8%)が2年連続の1位。2位「キャベツ」(62.3%)、3位「トマト」(50.3%)の三つの野菜は4年連続でトップ3に入っており、家庭の定番として「殿堂入り」する野菜だといえる。食卓への登場回数でトップとなった1位の「たまねぎ」は、今年の「好きな野菜」では12年間で初めての1位となった。
3年ぶりにトップ5にランクインした「にんじん」(50.3%)も同率で3位。2年ぶりに同じくランクインした5位の「じゃがいも」(48.7%)と共に、今年は根菜の人気も高かった。
2020年の「野菜の値段と購入意向」
野菜の価格高騰について聞くと、今年は例年に比べて野菜の値段が高かったと思うと答えた人は75.5%と昨年より11.0ポイント増え、多くの人が野菜の値上がりを実感。記録的豪雨や猛暑の影響で野菜の価格高騰実感が高まった2018年(77.7%)以来の高い割合となった。
価格高騰の実感1位は「キャベツ」
75.5%の人が「野菜の価格高騰」を実感していた中、「例年に比べて高い」と感じられていた野菜の1位は「キャベツ」(40.6%)。2位「レタス」(31.0%)、4位「白菜」(27.1%)と、トップ5に葉物野菜が三つ入った。
1位「キャベツ」と4位「トマト」(27.1%)は、「2020年に食べる機会が多かった野菜」でもトップ5入り。日常的に購入機会が多いことも値段の変動を実感しやすかったことに影響していると考えられる。
「値段が高くても買う野菜」でも1位は「たまねぎ」(26.1%)。2位は「キャベツ」(21.3%)、3位は「じゃがいも」(20.3%)と続き、トップ5に入った野菜は、「2020年に食べる機会が多かった野菜」と同様。価格が上がっても常備したい、家庭に必須の野菜であるといえる。
「もやし」は2020年の食卓の救世主?!
「2020年、例年に比べ購入量が増えた野菜」を聞くと、1位は「もやし」(20.6%)。野菜の価格高騰が多くの人に実感された今年、安定の低価格「もやし」は食卓の救世主となっていたようだ。2位「キャベツ」(9.4%)は、「例年に比べて高い」との実感で1位になったが、購入量は増えている。3位「たまねぎ」(8.7%)、4位「じゃがいも」(5.8%)、5位「にんじん」(5.5%)は、アレンジのしやすさや保存性の高さも、自炊が増えたコロナ禍の食卓に並ぶ機会が増えた要因の一つかもしれない。
「カット野菜の購入」8割以上に
野菜の取り入れ方を聞くと、カット野菜の購入経験が「ある」人は81.6%で、昨年より1.9ポイント微増して8割を超えた。9割を超えていたのは「男性30代」(93.5%)、「女性20代」(93.5%)、「女性30代」(90.3%)で、若い年代の購入率が高い。
昨年と比較して特に増加したのは「男性30代」(83.9%→93.5%)で9.6ポイント増、「女性50代」(71.0%→83.9%)で12.9ポイント増。若い年代を筆頭に、全年代で年々浸透している様子が分かる結果となった。
また、「カット野菜の購入理由」は、「料理の時間が節約できる」(51.0%)が半数を超えて1位。2位は「一度に使う量がちょうどいい(使い切れる)」(45.5%)、3位は「値段が手ごろ」(35.2%)となり、コロナ禍で自炊機会が増えた中、カット野菜の料理時間が節約できる点が最も支持されるポイントとなった。
4位「一度に色々な種類の野菜が手軽に摂れる」(30.0%)や6位「生ゴミが出ない」(21.3%)など、カット野菜ならではの、多品目の野菜を手軽に摂取できる点や、生ゴミを出さずに食べきれる利便性や環境配慮の観点からも支持されている。7位「コンビニでも購入できる」(19.4%)は約2割で、それぞれのニーズに合わせて支持される理由となっているようだ。
重要な記事
最新の記事
-
JA貯金残高 107兆2744億円 3月末 農林中金2025年5月9日
-
米、再生産可能な施策で後押し 石破茂総理2025年5月9日
-
【JA人事】JAぴっぷ町(北海道)大西組合長を再任(3月28日)2025年5月9日
-
備蓄米 全農出荷済み6万3266t 落札量の3割 出荷依頼には100%対応2025年5月9日
-
イネカメムシ被害を防げ 埼玉県と加須市、「防除」を支援 JAの要請実る2025年5月9日
-
備蓄米の円滑な流通 さらなる方策検討 買戻し条件見直しも 江藤農相2025年5月9日
-
米価 「高くなる」判断がやや増加 米穀機構2025年5月9日
-
(434)世界の配合飼料業界のダイナミズム【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年5月9日
-
全農杯全日本卓球選手権大会(ホープス・カブ・バンビの部)岐阜県予選会を県産品で応援 JA全農岐阜2025年5月9日
-
職員対象に「農業体験研修」を実施 JA全農あきた2025年5月9日
-
米を買うときに重視「国産米」77.8% お米についての緊急アンケート 日本生協連2025年5月9日
-
外食市場調査3月度 市場規模は3162億円 3か月ぶりに前年比でもマイナス2025年5月9日
-
BASFグループの第1四半期業績 特別項目控除前EBITDAはほぼ前年同期水準を確保2025年5月9日
-
鳥インフル 米サウスダコタ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年5月9日
-
生活協同組合ひろしまと連携協定「無印良品」商品を供給開始 良品計画2025年5月9日
-
ノークラッチで簡単操作「三菱トラクターGJE28・35」新発売 三菱マヒンドラ農機2025年5月9日
-
カインズ 神奈川県相模原市と「包括連携協定」締結2025年5月9日
-
まるまるひがしにほん「新潟県の地酒と特産品フェア」開催 さいたま市2025年5月9日
-
「親子でお米の田植え体験イベント」5月25日に開催 momofarm×農産直売所あぜみちのコラボ企画 グリーンデイズ2025年5月9日
-
生産者にフォーカスを当てた食品展示会「たべるーとEXPO」2025年7月に開催決定 TYL2025年5月9日