シャインマスカット 10℃で香り維持 農研機構2015年12月1日
農研機構果樹研究所は11月30日、シャインマスカットのマスカット香は、10℃の時に最も維持されやすいことを明らかにした。
同研究所は、シャインマスカットのマスカット香の主要な寄与成分はリナロールであると考えられるとしたうえで、香りを維持するための温度について以下のことが初めて明らかになったと発表した。
(図1:0℃または10℃で4週間貯蔵した果実の官能評価結果とリナロール含量
/農研機構果樹研究所提供)
(1)リナロール含量は低温ほど急速かつ大幅に減少し、10℃で最もよく維持された。10℃で貯蔵した果実のリナロール含量は、0℃のものと比べ、果皮で約14倍、果肉で21倍高く維持されていた。(図1)
(図2:4週間0℃貯蔵後に0℃または10℃で保持した果実中のリナロール含量の推移
/農研機構果樹研究所提供)
(2)4週間0℃で貯蔵しリナロール含量が減少した果実でも、その後10℃で保持すると、リナロール含量が増加することが分かった。(図2)
(3)しかし、マスカット香の維持に有効な10℃で長期貯蔵すると腐敗の発生が進んでしまう。そのため、香りのよいシャインマスカットの供給には、腐敗発生の心配がない短期貯蔵の場合には10℃程度で貯蔵し、長期貯蔵が必要な場合は低温で貯蔵した後、10℃程度でマスカット香を回復させてから出荷することが望ましい。
シャインマスカットはマスカット香を特徴とする皮ごと食べられるブドウだが、マスカット香が収穫後に減少することが商品性の低下にもつながるため課題となっていた。
一方、カンキツなどの青果物では適温とされた低温の貯蔵で香りが劣化することもあり、むしろ適温より高い温度で貯蔵すると、品種特有の香りを維持・向上できることが明らかにされ始めている。
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