キャベツの高値いつまで 出荷増えるが小玉多く 産地のJA、農家の声2025年1月15日
キャベツの小売価格が高値を続けている。消費地では「いつまで高いのか」が関心の的だ。1月の出荷を担う愛知、千葉、神奈川の産地に聞くと、価格転嫁もままならない苦労が浮かぶ。
農水省はキャベツなど8種類の野菜の量販店店頭価格を全国470ヵ所(各県10ヵ所ずつ)で調べている。1月6日の週(1月6~8日)の平均価格は、1キロ当たり534円で前週比118%、平年比326%(約3.26倍)だった(野菜の小売価格を平年比でみると、はくさい218%、レタス186%と続く)。
11月は、群馬産が終わって愛知産、千葉産が始まる端境期にあたり、産地リレーが途切れたのが一因だった。だが、その後もキャベツは高値が続く。
雨不足と低温で生育遅れ
約4ヘクタールの畑でキャベツを作る千葉県銚子市の農家、坂尾英彦さんは、昨夏の猛暑と12月の雨不足の影響で生育が遅れたという。「出荷は今後、だんだんできるようになると思うが、SやMという、小さいままで出さなければならないかもしれない」と話す。JAちばみどりも「今出荷しているものは根の張りが悪く生育が劣っている。低温と乾燥が続いて小玉傾向だ」(営農部)と説明する。
小玉傾向で出荷数も減る
「横須賀キャベツ」が育つ三浦半島を管内とするJAよこすか葉山(神奈川)では、「植え付けの時期には雨に降られ、その後は雨がなく、苦戦した。全体として小玉でLでなくM中心だ。少しずつ出荷数は戻ってきたが、もうしばらく高値が続くのではないか」(営農支援課の青木大和さん)とみる。
JA豊橋も「今年はかなり厳しい、冬らしい冬が久々にきた。夏の高温やその後の乾燥で生育が追いつかないところにこの冷えで、出荷数が回復傾向になるのは2月下旬だろう。こちらでも小玉傾向で、Lは例年並みですが2Lが少なく、MとSが多くなっている」(営農部)と話す。
「箱代も肥料代も上がるのに」
近年にない高値だが、「高騰しても生育が遅れて出荷できないんで、もうかるわけではない」(坂尾さん)。キャベツは昨年まで、再生産価格を割り込みかねない安値に悩まされてきた。青木さんも「経費を払ったら生活をどうしようか」という声を、農家から何年も聞いてきた。
「急に高騰すると消費者が変えなくなるので、それは困ります。消費者が手に取りやすく、農家も続けられる価格で安定するといいのですが」(青木さん)
坂尾さんは「ぎりぎり採算は取れてきたが、自分や家族の労賃までは価格転嫁できない」と話す。「箱代も肥料代も運賃も上がるのに、キャベツの価格は需要と供給で決まる。どこかおかしいのでは、と思うんです」。
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