最新の動物行動学に基づいた 動物による農作物被害の総合対策

- 著者
- 江口佑輔 監修
- 発行所
- 誠文堂新光社
- 発行日
- 2013年3月21日
- 定価
- 2000円+税
- 電話
- 03-5800-3625
- 評者
- 仲野隆三 / JA安房理事
いまや野性動物は都市部や農山村部に限らず日本列島いたるところに出没、農作物被害額は220億円と10年前にくらべ大きく変わらないが、捕獲頭数は2.5倍以上の60万頭に達している。いっこうに減らない野生動物と農作物被害は耕作放棄地の増加に結びつくなど大きな問題でもある。
動物行動学に基づいた鳥獣害対策
本書は7名の鳥獣害研究者の現場での取組によりツキノワグマやイノシシ、シカ、ニホンザルの大型動物から、見間違いしやすいタヌキやアナグマ、アライグマ、ハクビシンなど中型動物さらに小型動物から鳥害まで農作物の被害対策と獣肉利用とその資源化の課題について写真やイラストを用いてわかりやすく編集されている。
監修者はここ数十年をふり返り野性動物が増加しているのは「捕獲一辺倒の鳥獣害対策」の間違いにあると指摘。本来は農作物の収穫が思うようにできない「農業」の問題としてとらえなければならないのに、動物の専門家ばかりで議論され、行政や猟師、農家(集落)、JAなど連携した総合対策となっていないという。
読後、私たちは動物行動について間違った先入観をもっていたことに気づかされた。動物の生態や行動を考えず闇雲に侵入防止柵を築いても次々に破られる。ヒントは動物行動を学ぶことにあると監修者は本書で説いている。農業者だけでなくJA関係者も鳥獣害の総合対策として活用できる一冊である。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(146)-改正食料・農業・農村基本法(32)-2025年6月14日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(63)【防除学習帖】第302回2025年6月14日
-
農薬の正しい使い方(36)【今さら聞けない営農情報】第302回2025年6月14日
-
群馬県の嬬恋村との国際交流(姉妹)都市ポンペイ市【イタリア通信】2025年6月14日
-
【特殊報】水稲に特定外来生物のナガエツルノゲイトウ 尾張地域のほ場で確認 愛知県2025年6月13日
-
【注意報】りんごに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 岩手県2025年6月13日
-
SBS輸入 3万t 6月27日に前倒し入札2025年6月13日
-
米の転売 備蓄米以外もすべて規制 小泉農相 23日から2025年6月13日
-
46都道府県で販売 随意契約の備蓄米2025年6月13日
-
価格釣り上げや売り惜しみ、一切ない 木徳神糧が声明 小泉農相「利益500%」発言や米流通めぐる議論受け2025年6月13日
-
担い手への農地集積 61.5% 1.1ポイント増2025年6月13日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】生産者米価2万円との差額補填制度を急ぐべき2025年6月13日
-
井関農機 国内草刈り機市場を本格拡大、電動化も推進 農機は「密播」仕様追加の乗用田植え機「RPQ5」投入2025年6月13日
-
【JA人事】JA高岡(富山県)松田博成組合長を新任(5月24日)2025年6月13日
-
【JA人事】JAけねべつ(北海道)北村篤組合長を再任(6月1日)2025年6月13日
-
(439)国家と個人の『食』の決定権【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年6月13日
-
「麦とろの日」でプレゼント 東京のららぽーと豊洲でイベントも実施 JA全農あおもり2025年6月13日
-
大学でサツイマイモ 創生大学と畑プロジェクト始動 JA全農福島2025年6月13日
-
JA農機の成約でプレゼントキャペーン JA全農長野2025年6月13日
-
第1回JA生活指導員研修会を開催 JA熊本中央会2025年6月13日