【コラム・女子大生にひとこと】農村の伝統芸能で交流2015年6月22日
農業をしながら、伝統文化を継承し、結果として地域を守る。そのように考える家族農家がいる。老人が死ぬのは自然の成り行き、地域の若者が都会へ出るのも止められない、結果として人口減少、過疎化になる。
そのような限界集落でも、お盆には若者が帰省し、村の“祭り”が行われる。新潟県佐渡島の最西端の集落で「夏の祭典 たかち芸能祭」が毎年8月13日に開かれる。周辺の人々、ふるさとに帰ってきた人たちに地域の芸能を見せるのが目的で毎年開催される。
その祭りに都会の女子大生が参加するようになった。2009年からである。芸能を通じて地域の現在を知るためである。次第に人気が出て昨年は相模女子大のゼミの学生たち24名が参加。公民館に泊まり込みで、地元の人に伝統芸能の鬼の舞い方の特訓を受ける。スーパーもコンビニもない田舎の、合宿・自炊生活に最初は戸惑う。しかし、地元で作った新鮮野菜や日本海でとれたての小魚が「食べてくれちゃ」といっぱい持ち込まれる。自然の恵みの豊富さと真っ暗な満天の星空に彼女たちはカルチャーショックを受ける。一方、女子大生が鬼太鼓を舞うという評判で地元集落は俄然華やぐ。
まじめに稽古に参加してくれるのか当初、地元は半信半疑だった、また短期間に教えるのは大変である。しかし、地元と女子大生の間を取り持つ担当教授の努力と郷土愛により、続いている。翌年から女子大の学園祭に、地元祭りの実行委員数人が招かれて物産販売を行うという双方交流が続くことになる。鬼太鼓を舞っている写真が大学のホームページに掲載され、就活に役立ち見事大企業に就職できたという女子学生もいる。ウイン・ウインの関係である。これからは世界的な移動の時代がくる。定住はリスク、単なる観光では飽きられると指導教授はいう。VFR(visitfriend and relatives)即ち、その地域に友人を作り、その関係を続けてその地を訪問する。新しい動きに農村土着の伝統芸能が役に立つ。
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