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神明が先物市場の価格使った契約を生産者に呼びかける【熊野孝文・米マーケット情報】2025年12月23日

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全国稲作経営者会議主催の全国稲作経営研究会の講演会が12月17日東京八重洲で開催され、はじめに農水省の笠原健水田農業対策室長が「米政策の情勢と今後の見通しについて」と題して講演したのに続き、著者が「米価の動向・見通し、コメ指数先物取引について」講演した。コメ指数取引市場活用について実例として(株)神明ホールディング川上戦略事業部谷口正成部長が堂島取引所のコメ指数先物取引で形成される価格を使って、実際に新潟の農業生産法人と7年産米の事前契約を締結して現物の受け渡しを行った事例を報告、8年産米でも先物価格を使った契約手法2パターンを示し、参加した稲作経営者会議の会員社に契約への参加を呼びかけた。

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コメ先物指数取引については、先物取引の仕組み自体が良く理解されていないことから、それを理解するためにJPX(日本取引所グループ)がYouTube上にアップしている「堂島米市場」の動画を何度も見てもらうことをお勧めした。また、堂島取引所も12月10日にコメ指数先物取引の概要をホームページ上で動画をアップしているのでそれも参考にして欲しいと参加した生産者にお願いした。

1730年に幕府の公認を得た堂島コメ先物取引の革新的なことは二つあり、一つは「帳合米取引」という帳簿上の反対売買による清算取引を行うことによって現物の受け渡しをせずとも大量の取引が可能になったことで、このことが現在、世界で「京」と言う単位にまで隆盛を極めているデリバティブ取引の基礎になっており、まさに商取引上の革命的な手法の発明であるといえる。

もうひとつが「建物米」という基準となる名目上のコメを売買し、その価格を基に各産地のコメの価格を決めるという格付け取引を行ったことで、これにより格段に速いスピードで大量にコメを売買することが可能になった。

コメの現物を生産する人、流通させる人、使う人・実需者といった当業者は先物市場を活用することによって価格変動のリスクに備えることはもちろん、現物市場と先物市場の裁定取引も可能で、そこで利益を得ることも出来る。その場合、裁定取引(ベーシス取引)の要素は「時間」と「空間」と「物質」の3つの要素から構成され、それらにより発生する「利ザヤ」を理解すれば良い。原理原則は単純で組み合わせによって複雑になる。

こうしたことを前置きにして実際に堂島コメ先物指数取引を活用している当業者のヘッジ事例を紹介し、つづけて(株)神明ホールディングが実際に先物市場の価格を活用して7年産米で事前契約を締結、現物の受け渡しを行ったのでその事例を紹介してもらった。

それによると先物価格を用いた事前契約の目的について「農業のビジネス化において、播種前にコメの価格を決めて契約を行うことで、生産者の事業計画の策定、計画的な設備投資等による生産基盤(事業)の維持拡大、担い手の育成及び経営の安定化等が可能となるように横展開を図って参りたい」とした。

7年産米の取組み事例として産地品種は新潟コシヒカリで、契約価格の設定は、今年4月時点での堂島コメ先物市場の10月限の価格と10月限が最終決済価格になったときの価格を合算して2で割った価格。それに県産銘柄の格差を加算した。

具体的には、4月時点の10月限の価格は、税別換算2万7778円でそれに農水省が公表している相対価格から県産銘柄間格差を査定、新潟コシヒカリはプラス1952円であったことからその額を加算した2万9730円。10月になった時の堂島コメ先物市場の最終決済価格は税別で3万7963円で、これに銘柄間格差1952円を加算すると3万9915円になる。

4月時点での価格2万9730円に10月時点での最終決済価格3万9915円を合算して2で割ると3万4823円になり、この価格で生産法人から購入して取引を終了した。結果的には、今年10月時点での現物市場で取引されていた新潟コシヒカリの相場と同水準で売り手、買い手双方納得いく取引価格が実現出来た。

今後については「生産者ごとに産地・品種銘柄、契約数量、受け渡し期限、契約時期等を個別に相談させていただく」としたうえで、契約パターンとして、現在、堂島取引所で価格形成がなされている来年2026年10月限の価格に県産銘柄価格差を加算したものを契約価格にするパターンと、現時点で明らかになっている2026年10月限の価格と10月限が最終決済価格になる来年10月の価格を合算して2で割り、それに県産銘柄格差を加算した価格で契約するという2パターンを示した。

この取引手法では、堂島取引所で形成される先物価格だけを利用した先渡し条件の取引になり、生産者が先物取引に参加するために口座を開いて証拠金を積む必要もなく、負担が生じずに田植え前に売り先を確定させ、将来所得を得ることが出来るというメリットがある。

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