【リレー談話室・JAの現場から】協同組合の成果確認 米集荷200万袋達成で2016年4月7日
農協法改正で私たちは、農家所得向上のため今日まで実践してきた事業、活動のあり方を再点検する必要があるのではないか。
当JAは平成20年5月に合併し、組合員の結集によって今日まで苦労しながらも順調に経過してきた。管内は米、畜産、園芸等で225億円の販売額だが、何と言っても米が111億円で5割を占める。
めまぐるしく変化する水田農業や米の消費が減少していく中で、米産地としての生残りと米農家の所得向上が喫緊の課題である。特に「安心安全」で美味しい米を全国の消費者や米卸等に安定供給する事が産地としての使命であり、信頼を勝取る事が最大の目標だった。
平成23年度、このことから「米集荷200万袋運動」を計画した。以前から一定の品質確保のため、JA独特の肥料(愛農土シリーズ)を開発し、肥料の統一と生産費の削減を図り、「いもち病剤」は、一括仕入れと全戸配置で1等米比率の向上にも取り組んだ。
当初は全農家に周知したものの、なかなか達成はできなかった。しかし、大型生産者からの要望で、フレコンバック(1㌧)の出荷や全農による大規模集出荷施設の建設によって集荷に弾みがついた。繁忙期には土、日曜日の集荷や米検査にも取り組み、土壌改良剤の補助事業導入も図り、消費者や米卸等の要望に応える米づくりに努めた。
また地産地消運動として、精米センターを新設し管内の全ての小中学校の学校給食、温泉やホテル、病院に供給し消費拡大に努めた。
集荷運動を実施している中で、どうしたら米が集まるか、また集めるには何をすればいいかについて役職員一丸となって、組合員と話し合いながら米集荷運動を実施してきた。
そして、全支店(27支店)「支店行動計画」で米集荷目標を農家組合長と協議し、全職員で努力した結果、27年度でようやく達成。改めて考えれば、これが「生産者みんなで農協を使おう」、そのため職員も努力するという協同活動運動の展開だった。どうしたらその目的が達成できるか協議を重ねた。
その結果、組合員の要望を取り入れ、農協も利用施設の改善や集荷の工夫するなど、一つの目標に向かって組合員と農協が同じ目標に努力した結果であり、そこに「協同の力」があった。
◇ ◇
近年、ややもすれば事業ありきで、組合員との対話や共同して物事を達成することが希薄になっている。本来、農協は経済的に苦しい時代に力を合わせ、組合員が協力して農協を作った。そのことをわれわれは忘れてはならない。
今年2月、1000人の生産者や米卸業者を集めて、米集荷200万袋の達成大会を開き、産地としてさらなる運動を誓い合った。
今、JA改革で生産者と農協のあり方が問われているが、お互いの考え方や組合員の「知恵を共有」していくことが、組合員の期待に応え、所得向上の一歩になるのではないかと思っている。
重要な記事
最新の記事
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】なぜ多様な農業経営体が大切なのか2024年3月28日
-
全国の総合JA535から507に 4月1日から 全中2024年3月28日
-
消える故郷-終りに、そしてはじめに-【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第284回2024年3月28日
-
岩手銀行、NTT東日本、JDSCが「岩手県の『食とエネルギーの総合産地化』プロジェクト」を共同宣言2024年3月28日
-
「日曹コテツフロアブル」登録変更 日本曹達2024年3月28日
-
適用拡大情報 殺虫剤「プレバソンフロアブル5」 FMC2024年3月28日
-
飼料用米を食料安保の要に 飼料用米振興協会が政策提言2024年3月28日
-
肥料袋の原料の一部をリサイクル樹脂へ置換え 片倉コープアグリ2024年3月28日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付)2024年3月28日
-
純烈が熱唱 新CM「おいしい雪印メグミルク牛乳 ゴクうまボトル」公開2024年3月28日
-
むすびえ「ウェルビーイングアワード 2024」活動・アクション部門グランプリを受賞2024年3月28日
-
「物流の2024年問題」全国の青果センターの中継拠点化で「共同輸配送」促進 ファーマインド2024年3月28日
-
ポストハーベスト事業 米国子会社を譲渡 住友化学2024年3月28日
-
農業の「経営技術」を習得 無料オンライン勉強会を隔月で開催 ココカラ2024年3月28日
-
森林由来クレジット販売プラットフォーム立上げ第一号案件を売買全森連×農林中金2024年3月28日
-
新規需要米に適した水稲新品種「あきいいな」育成 耐病性が優れ安定生産が可能に 農研機構2024年3月28日
-
食品ロス削減に貢献 コープ商品6品を3月から順次拡充 日本生協連2024年3月28日
-
最適な雑草防除をサポート「my防除」一般向け提供開始 バイエルクロップサイエンス2024年3月28日
-
国産和牛が当たる 「春の農協シリーズキャンペーン2024」4月1日から実施2024年3月28日
-
れんこん腐敗病の課題解決へ JA大津松茂と圃場検証を実施 AGRI SMILE2024年3月28日