飼料米への誤解2018年1月15日
コメの一人当たり消費量はピークの1962年の118.3kgから2015年には54.6kgへ半分となった。コメの価格を維持するために生産調整で減反をして生産量を減らし、更に家畜の餌にする飼料米に転換をすれば助成金を出す政策がとられた。一般家庭用には価格の高い銘柄米が増えたこともあり業務用の外食や加工原料向けのコメが不足となり、値上がり分を価格に転嫁をすることで消費者に負担を強いることになる。農家がコメの需要に合わせた供給と価格を下げる経営努力をせず、従来の様な国の助成金を当てにした経営により農業の国際的な競争力が出来ない。これが飼料米についてのマスコミの論調である。
水田で飼料米をつくるのは助成金が欲しいからではない。水田の機能を維持するためにコメを作り、食用と飼料用の需要に合わせた供給をしているのである。
日本の国土の約12%が農地、水田は農地の55%。気候は温帯モンスーン地帯で雨が多く多湿である。四季があるのが特徴である。このような自然条件の中で中山間地など農業機械が入れないような日本の原風景と云われる棚田も含めて狭い国土の自然環境を守っているのが日本の水田である。ご先祖様からの1000年の知恵と農家の努力である。
平均の耕地面積が日本の家族農業では約2.9ha、(内地0.95ha、北海道14.0ha)、アメリカは企業的な農場で200ha、オーストラリアも同様で3000haである。両国は平坦な農地で農業用水も灌漑で必要な量を確保している。
日本の食料自給率はカロリーベースで38%(2016年)、コメは99%であるが畜産物は飼料の輸入分が47%あり国産の飼料による自給率は17%(2015年)である。輸入の飼料はトウモロコシ、大豆、小麦等でこれらの全輸入量の約80%がアメリカからである。
食料の自給率を上げ、国土を守り、自然環境を保持する大きな役割を持っている水田の機能を維持するのがコメを作ることであり、食用と飼料用の需要の変化に合わせた供給をしているのである。有識者の皆さんはこの程度の勉強をしてから発言をしてください。
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