コロナ撲滅体制の民主的再編を【森島 賢・正義派の農政論】2021年10月11日
コロナの新規感染者数が急速に減少している。何がその原因か。科学者は、誰も答えられない。だから、コロナ禍が今後どのような過程を経て終息するか、という問いにも答えられない。コロナ対策は、迷走するばかりである。
ここに我が国の、コロナ撲滅のための研究水準の低さがある。この低さは、研究体制の非民主性に起因している。科学者の社会的責任は重い。
科学者の社会的責任について想起するのは、戦後まもなく日本学術会議などを舞台にして行われた、原子力の平和利用についての科学者の論争である。論争の中心には、ノーベル賞を受賞した湯川秀樹教授や技術史家の武谷三男教授などがいた。
その結論は、原子力の研究成果が軍事利用されないためには、研究の「民主」、「自主」、「公開」の3原則が不可欠、というものだった。
いま、戦後最大の危機であるコロナ禍の中で、コロナ撲滅のための科学的方法を提示できない科学者の社会的責任は重い。その最大の原因は、研究体制の非民主性にあるのではないか。それを基礎にした上意下達で非民主的な医療体制にあるのではないか。

上の図は、コロナ発生以来の、全国の新規感染者数の推移である(NHKのHPより)。筆者は専門家ではないが、いくつかの疑問を呈してみよう。
◇
この図には、明らかな周期的変動が見られる。第1波から第5波までの波動である。このままでは、第6波の襲来は必至のように見える。
科学者は、それを阻止する方法を示さねばならない。その災禍を軽減する方法でもいい。そのためには、波動を形成する主要な原因を究明しなければならない。
科学者は、いくつかの原因を指摘するが、それらのほとんど全ては、説得的でない。
原因は反応の遅れ、とする研究者の見解がある。この見解によれば、外出と営業の自粛が原因になる。対策は、自粛という「自助」まかせである。また、ワクチンの普及が原因、という見解もある。対策は、「ワクチン一本足打法」である。季節性という見解もある。対策は、無責任な「自然まかせ」という無策である。
それらは1つの原因ではあるが、いずれも主要な原因ではない、と非専門家の筆者は考えている。
では、主要な原因は何か。
◇
上の図をみると、いずれの波も名前がついている。第1波は、いわゆる武漢型のコロナウィルスで形成された波動であり、...第5波は、デルタ型のコロナウィルスで形成された波動である。それらが、ほぼ同じ間隔で並んでいる。
ここから推測されることは、変異型ウィルスの寿命である。寿命がくれば、いわば自然に自滅して、新しい変異型のウィルスにとって代わる、という仮説である。それが波動の主要な原因とみる一部の科学者の見方がある。
もしも、この見方が正しいとすれば、第6波の襲来は必至である。人為では如何ともしがたい。だが、波の高さを低くすること、つまり、新規感染者数を少なくすることは、人為でできる。
そのために、第1に為すべき最重要なことは、新しい変異型コロナウィルスの早期発見と、早期の完全な隔離の2つだろう。
◇
早期発見と早期隔離のために必要なことは、空港などの検疫での完全な検査体制の整備である。完全とはいっても、100%完全というのは現実にはあり得ない。
それに加えて、国内で新しく変異した株の発生も想定しておくべきである。それらに備えた検査体制の抜本的な拡充が必要である。
それは、いまのPCR検査体制の拡充だけではすまされない。PCR検査の陽性者が、新しい変異株の保有者か否か、の検査が付け加わる。新しい変異株の保有者の自宅療養などは論外である。
◇
こうした対策のために必要なことは、研究と検査と隔離と治療の体制の、衆知を集めた民主的再編である。現行のような、一部の政府寄りの科学者の、非科学的な提案による、上意下達の検査と隔離と治療の体制では、強烈な第6波による社会の蹂躙は免れないだろう。
いま、コロナ撲滅のために必要なことは、研究体制と医療体制の「民主」と「自主」と、そのための資料と研究成果の「公開」である。
これが為されれば、わが国が持つ医療の力を十二分に発揮して、コロナを撲滅できるだろう。それは、科学者の責任であると同時に、政治家の責任である。
(2021.10.11)
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