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【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】前回のトランプ政権との日米貿易交渉の失敗に学べるか(3)2025年5月15日

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 第一次トランプ政権下での日米貿易交渉の失敗を繰り返してはならない。第二次トランプ政権との貿易交渉が「盗人に追い銭」「鴨葱」外交にならないよう、2019年11月28日の参議院外交防衛委員会での前回の日米貿易協定に対する筆者の参考人意見陳述の資料を再掲し、前回、何があったのかを確認しておきたい。

偽証罪・背任罪の適用拡大の必要性

 TPPには参加しない、と言って参加し、重要5品目は除外、と言って除外せず、日米FTAを避けるためにTPP11をやる、と言って日米FTA交渉をTAGという捏造語で別物だと主張して開始し、その場が凌げたら、誰もTAGという言葉も使わなくなり、すべて虚偽だったことがあとから判明しても誰も責任を取らない。

 今回は、自動車関税は撤廃が約束されている、これ以上農業を譲らない、牛肉のセーフガードは広げない、25%への自動車関税引き上げは回避できた、などなどと言っているが、これが違っていた、となったときに、きちんと罰せられるような仕組みを作らないと、その場しのぎのどんな虚偽もまかり通って、平然とさらに悪い事態へ移行させられていくのを止められない。

 本協定は、史上最悪の国際法違反協定で、しかも日本は失うだけの内容なのに、世界に恥をさらして非難されることは明白な中、事実を捻じ曲げてまで承認する必要がどこにあるのか。それでも国会承認するなら、その責任を日本の国会議員の皆さんが負うことになる。国民の命と健康を守るためにも、このような流れを断ち切る必要がある。どうか国民のための政治をお願いしたい。

参考資料 日本農業は世界で最も保護されていない

 農業政策を「農業保護はやめろ」という議論に矮小化して批判してはいけない。農林水産業を支えることは国民の命を守ることだ。しかも、日本農業は世界的にも最も保護されていない。日本農業が過保護だから自給率が下がった、耕作放棄が増えた、高齢化が進んだ、というのは間違いである。過保護なら、もっと所得が増えて生産が増えているはずだ。逆に、米国は競争力があるから輸出国になっているのではない。コストは高くても、自給は当たり前、いかに増産して世界をコントロールするか、という徹底した食料戦略で輸出国になっている。つまり、一般に言われている「日本=過保護で衰退、欧米=競争で発展」というのは、むしろ逆である。
 だから、日本の農業が過保護だからTPPなどのショック療法で競争にさらせば強くなって輸出産業になるというのは、前提条件が間違っているから、そんなことをしたら、最後の砦まで失って、息の根を止められてしまいかねない。早くに関税撤廃したトウモロコシ、大豆の自給率が、0%、7%であることを直視する必要がある。
誤解① 世界で最も高関税で守られた閉鎖市場→OECDデータによれば、日本の農産物関税率は11.7%で多くの農産物輸出国の1/2~1/4である。こんにゃくが1,700%ばかり強調して高いというのは間違い。野菜の関税率は3%程度がほとんどで、極めて低い関税の農産物が9割も占めるのは日本だけだ。自給率37%が閉鎖市場???
誤解② 政府が価格を決めて農産物を買い取る遅れた農業保護国→価格支持政策をほぼ廃止したWTO加盟国一の哀れな「優等生」が日本で、他国は現場に必要なものは、したたかに死守している。
誤解③ 農業所得が補助金漬け→日本の農家の所得のうち補助金の占める割合は3割程度なのに対して、EUの農業所得に占める補助金の割合は英仏が90%以上、スイスではほぼ100%と、日本は先進国で最も低い。「所得のほとんどが税金でまかなわれているのが産業といえるか」と思われるかもしれないが、命を守り、環境を守り、国土・国境を守っている産業を国民みんなで支えるのは欧米では当たり前なのである。それが当たり前でないのが日本である。

【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】前回のトランプ政権との日米貿易交渉の失敗に学べるか(3)

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