ペーパーレス化で事務負担軽減進む-JA共済2017年10月5日
JA共済連はこのほどJAの共済事業事務負担の軽減状況について公表した。生命総合共済のペーパーレス手続きで1件あたり約19分軽減されていることが確認されるなど、業務時間が減少するのはもちろん、相談業務など組合員と向き合う時間が増えたことが確認された。
JAの事務業務のうち、共済事業の事務は18.8%を占める(平成27事業年度総合農協統計)。また、共済事業の業務量を100%とした場合、契約事務や支払事務などの事務業務は50%を占める(JA共済連調べ)。JA共済連はこの事務業務時間の削減をめざして新事務手続きの導入を進めている。
具体的にはタブレット端末「Lablet's(ラブレッツ)」を活用した契約申込手続きのペーパーレス化や、初回共済掛金の口座振替の実施によるキャッシュレス化を段階的に進めている。
29年度のペーパーレス手続きによる加入状況は生命総合共済で約64%、建物更生共済で約74%となっている。29年度下期からは自動車共済についても契約申込手続きのペーパーレス化、キャッシュレス化を展開していく。
これらの取り組みによる事務負担の軽減効果も実証された。
JA共済連は生命総合共済(終身共済)について1件あたりの業務時間を調査した。それによるとJAでは27年度までは契約申込の受理・点検から申し込み内容の決済、証書交付などまで一連の事務に1件あたり平均で約32分間の時間を要していたが、ペーパーレス化の導入により平均で約13分となった。27年度以前までの手続きにくらべ約19分軽減されていることが確認された。
JA担当者からは「業務時間が減少し相談をうかがう時間が増えた」など組合員・利用者と向き合う機会をより増やせるなどの声があがっている。この取り組みを進め、30年度以降には26年度比で事務に要する業務時間の約31%軽減をめざしている。
また、自動車損害調査業務についてJAと協議のうえ連合会との業務分担を見直し、JAの損害調査業務を連合会に移管することにしているが、8月末で207JAが体制移行をしている。
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