JAグループなど協創推進「農林中金キャピタル戦略協創1号投資事業有限責任組合」設立2023年7月27日
農林中金キャピタルは、スタートアップ企業への投資を目的とした「農林中金キャピタル戦略協創1号投資事業有限責任組合」(NSCF)を設立した。あわせて同ファンドを通じて、養殖IoTをはじめ水産プラットフォーム事業を展開するシンガポールのユニコーン企業、eFisheryに出資するファンドの持分を取得した。
農林中央金庫におけるイノベーション投資の取組み
農林中央金庫は、2020年3月にコーポレートベンチャーキャピタルファンド事業(農林中金イノベーションファンド)を開始以降、日本国内外のスタートアップ企業へ出資。既存の枠組みに留まらず、事業パートナーとの連携・協業を通じて、農林水産業の発展と脱炭素社会への貢献を目指してきた。
同ファンドでは、当該取組みを継続・強化することを目的として、AgVenture Labを含め、JA、JF、JForestグループのネットワークを活用し、「サステナブル」「農林水産業」「くらし」にかかわる課題解決とゆたかな「社会」の実現に取り組む国内外のスタートアップ企業へ投資を行い、グループとの協創を推進する。
農林中金キャピタル戦略協創1号投資事業有限責任組合の概要
また、同ファンドの第一号案件としてFisheryに出資。同社は、小規模養殖業者に対してスマートフォンと連携した自動給餌器のシステムを提供することで、養殖池や魚の状態に応じた適切な量・タイミングでの餌の投入と、それに伴うコスト効率性の高い生産を可能にしている。また、養殖IoTの導入による生産性の改善に加え、生産された魚の小売業者・加工業者等の需要先への販売や、餌等の飼料サプライヤーと養殖業者を繋げるマーケットプレイス、養殖業者の設備投資や運転資本ニーズに対応するための金融サービスなど、小規模業者の事業運営を高度化するためのサプライチェーン横断的なソリューションも提供している。
今回の資金調達によりeFisheryは米国を中心に海外展開を加速。トレーサビリティや環境に配慮した質の高い水産物の流通をグローバルに推進していく。
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