生乳生産、前年度下回る見込み Jミルク2015年2月2日
一般社団法人Jミルクが1月に発表した生乳などの需給見通しでは、平成26年度生乳生産量は北海道、都府県とも前年度を下回る見込みとなっている。円安による飼料・生産資材価格の高騰などが経営を圧迫していることなどが要因で、生乳生産量の回復を実現するには酪農家の所得確保策や酪農・乳業が一体となった取り組みで、戸数減少や経営規模縮小に歯止めをかける必要がある。
27年度の生乳生産量は北海道では2?4歳の乳牛頭数が前年度を超えるため、26年度を上回る(387万1000t、前年度比101.3%)見込みとなっている。しかし、都府県では引き続き減産基調で26年度を下回る見通し(同98.6%)だ。その結果、全国の生乳生産量はほぼ前年並み(733万3000t、同100.0%)と見込まれている。
牛乳等の生産量は、「牛乳類」は26年度と同程度の減少傾向が続き、同98.2%の見通し。「はっ酵乳」は前年度並みの同100.6%と見込まれる。
用途別処理量は牛乳等生産量の減少から「牛乳等向け処理量」は382万1000tで同98.0%と26年度を下回る見込みとなっている。一方、生乳生産量はほぼ前年度並みとなることから、「乳製品向処理量」は26年度をやや上回り、345万2000t、同102.3%と見込まれる。
乳製品の生産量は、脱脂粉乳・バターともに26年度を上回る見込み(脱脂粉乳12万7000t、同104.7%、バター6万3900t、同103.6%)。ただし、消費量に対し供給量が下回る状況は今後も続く。
輸入義務であるカレントアクセス輸入分を加えても、供給量は消費量に対して脱脂粉乳▲7900t、バター▲5100tの見通しだ。
26年度は特定乳製品(脱脂粉乳・バター)が不足したことから追加輸入が行われたが、フレッシュな国産バター不足が解消されなかった。その背景にある酪農・乳業の動向に関心が高まっているとして、Jミルクでは国と酪農乳業が一体となって、乳製品の安定供給と生乳生産基盤の維持・拡大に最大限の努力を払っていく必要があるとしている。
(関連記事)
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