JAの新たな協同組合像の確立を 第27回JA全国大会議案検討2015年4月15日
「食」と「農」を基軸として地域に根ざした協同組合
JA全中は3月の理事会で今年10月に予定されている第27回JA全国大会に向け大会議案審議会の設置を決め、第1回の審議会を3月25日に開き検討を開始した。今回の大会は、農協法改正による「農協改革」でJAグループの組織・事業を支えたきた制度や前提条件が大転換することをふまえ、JAグループとして自己改革に取り組むための実践方針を決めることが大きな目的となる。
その実践のためJAグループの組織のあり方を検討する必要があるが、その姿は「食と農を基軸として地域に根ざした協同組合」。こうした新たな協同組合像の確立を通じ、農業所得の増大や地域活性化を実現することが課題となる。
◆新たな協同組合像
2月13日に政府・与党が農協改革の「骨格」を決定したことを受け、全中は3月理事会で第27回JA全国大会議案の検討の前提となる「JAグループの基本的考え方」を決めた。
そこでは▽「食と農を基軸として地域に根ざした協同組合」として、▽農業所得の増大、地域の活性化を実現するため、JAグループの組織・事業の再構築を図る必要がある、▽将来にわたって「食と農を基軸として地域に根ざした協同組合」として機能発揮するための総合JAと、「農業や地域経済の発展をともに支えるパートナー」としての准組合員を明確に位置づける必要がある、などが強調されている。
これらは昨年秋の総合審議会中間とりまとめや、JAグループ自己改革に盛り込まれた内容でもあることから、今回の大会議案の前提事項としてこれらの考え方を位置づける。
そのうえでJA全中は大会議案に盛り込む主要項目を整理し、総合審議会、専門委員会に提示して議論を進めている。
主要な事項の柱は「食と農を基軸として地域に根ざした協同組合」としてのJAのあり方だ。
政府の農協改革では、農協は農業者の職能組合に純化する方向が強調された。
これに対しJAグループの基本的考え方である「食と農を基軸として地域に根ざした協同組合」は、農業者と地域住民がともに組合員になり総合事業を展開して「農業と地域の活性化に全力で取り組む」という姿である。しかし、実態としては組合員の帰属意識の低下、准組合員が増加しているにもかかわらずその意思反映・運営参画が進んでいないなど協同組合のあり方が問われる問題も抱えている。
一方、農協法改正でこれまでの制度や前提条件が変わる。こうしたなか、法制度等の変更内容について分析、評価しながら自らの力で新たな協同組合像の確立を大会議案の検討を通じて打ち出すことをめざす。
(写真)2012年に開かれた第26回JA全国大会のようす
◆准組の位置づけ
とくに論点となるのが、「農業や地域経済の発展をともに支えるパートナー」としての准組合員の役割・位置づけ。▽意思反映・参画をどのように具体化するか、▽共益権(議決権)を含めた組合員制度のあり方についてどう検討し具体化するか、▽正組合員も含めJAへの帰属意識をどう高めるかなどが検討事項として考えられている。
また、新たな協同組合像の確立をめざすなかで法制度改正をふまえた中央会・連合会のあり方も検討する必要があるのではないかと全中は提起している。
そのほか「農業者の所得増大」、「農業生産の拡大」に向けた具体策も主要項目の柱。論点には、▽新基本計画、あるいは農業者の世代交代、大規模化などの環境変化をふまえた構造展望、▽JAの地域農業戦略の実践強化とJA自己改革との関連、▽農業参入法人との連携方策、▽中央会・連合会による担い手サポートセンターの設置などが挙げられている。
そのほか地域活性化、着実な実践のための仕組みと経営基盤、JAのブランドイメージづくりなども現段階で主要項目として挙げられているようだ。
また、今回は平成30年に予定される第28回JA全国大会とその後の実践までを見据え、改革の目標と道筋を考える必要があることも提起されそうだ。
政府は改正農協法が施行される来年(28年)4月から平成32年までの5年間を農協改革の実行状況等の調査期間としている。とくにこの間に准組合員の利用実態などをふまえて、利用量規制のあり方を検討することになっている。
◆再改正も睨み
一方、JAグループは今後の大会議案の検討のなかで「食と農を基軸として地域に根ざした協同組合」の確立をめざしていくが、その実践によって社会的評価を確立し、平成33年にも想定される改正農協法5年後見直しの際に、准組合員の権利等を法制度に反映させることを目標にするとの考えもある。
そのためこの秋に開催する第27回大会決議の実践では「食と農を基軸として地域に根ざした協同組合」を組織・事業面で全力で確立し社会的な評価を得ることを目標にする。
そのうえで30年度の第28回大会は、パートナーである准組合員の権利等について、33年にも想定される改正農協法の見直しに反映させることを目標にする中長期的な運動展開を、今から視野にいれて議論と実践を行うべきではないか、との提起もなされている。こうした先の見通しをふまえ、この秋の27回大会がJAグループのみならず地域にとってどのような意味を持つのか、JA役職員が問題意識を共有することが求められている。
《第27回JA全国大会開催までのスケジュール(予定)》
【3月】
○第1回大会議案審議会(25日)、第1回専門委員会(26日)
【4月】
○第2回専門委員会(20日)、同大会議案審議会(27日)(主要論点等)
【5月】
○第3回専門委員会(組織協議案たたき台)(25日)
【6月】
○第3回大会審議会(組織協議たたき台)(1日)
○有識者会議
○第4回専門委員会(23日)、大会審議会(26日)(組織協議案)
【7月】
○全中理事会(2日)(組織協議案の決定)
【9月】
○第5回専門委員会、大会議案審議会(17日)(大会議案)
【10月】
○全中理事会(1日、大会議案決定)
○第27回JA全国大会(14日:東京プリンスタワー、15日:NHKホール)
《当面のスケジュール》
【27年度(2015)】
○(未定)改正農協法成立
○10月第27回JA全国大会
【28年度(2016)】
○4月改正農協法施行
○政府の農協改革実況状況調査期間スタート
○第27回大会決議実践1年目(集中実践期間)
【29年度(2017)】
○第27回大会決議実践2年目
【30年度(2018)】
○米の生産調整の見直し
○第27回大会決議実践最終年度
○第28回JA全国大会
【31年度(2019)】
○第28回大会決議実践期間(?33年度)
○新中央会設立
【32年度(2020)】
○東京オリンピック
【33年度(2021)】
○改正農協法5年後見直し
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