人手不足に対応 ITC化と物流の効率化 100周年迎えたホクレンがアピール2019年8月8日
ホクレン農業協同組合連合会(ホクレン)は8月7日、東京都内で記者説明会を開き、北海道の農業の可能性をアピールした。北海道農業の強みである規模拡大を見越し、予想される労働力の不足に対応したICTの活用による生産性の向上に努めるとともに、物流の効率化を主要課題に挙げた。
ホクレンは1919(大正8年)4月18日に保証責任北海道信用購買販売組合聯合会として発足して、ことしが100年目。記者会見でホクレンの内田和幸・代表理事会長は、今年の北海道の農産物の生育が比較的順調であることを報告し、「100周年を機に、『つくる人を幸せに 食べる人を笑顔に』のスローガンのもと、国民の信頼に応えていきたい」と決意を述べた。
北海道農業は経営面積が大きく、耕作放棄地が少ないという特徴がある。一戸当たり耕地面積は29haで、都府県の13倍となっている。また耕作放棄地は、全国の9%に対して2%で、圧倒的に少ない。
このため、これからの北海道農業の生産性・農家所得の向上にとってICT活用(スマート農業)の重要性を指摘する。このためホクレンでは本所に営農支援センター、道内12か所に営農支援室を置き、87人体制で、JAや農家の抱える課題の解決に努めている。すでに酪農では搾乳ロボットの導入が進み、耕種部門ではGPS搭載トラクターや農業用ドローンの利用試験などにも取り組んでいる。 北海道農業にとって、いま大きな課題となっているのは労働力不足と物流問題だ。北海道産の農畜産物は1日当たり1万t都府県に移出されており、その7割強をホクレンが担っている。その多くはJR貨物とフェリーだが、大型トラックドライバーの不足が深刻な状態にある。ホクレンの試算では、2020年対比で30年にはドライバーが18%(5万7000人)減るという。これを見越して自動運転走行試験を行っている。
また、JRの青函貨物廃止の問題がある。新幹線の高速化に伴い、列車が青函トンネル等の共有区間を通過できなくなる恐れがあり、これを海上輸送に切り替えると、輸送コストが大幅に増える。特にホクレンの扱うバレイショ、タマネギを取り扱う青果市場と貨物駅は接近しているが、これを海上輸送に切り替えると、陸上輸送距離が長くなり、新たに北海道内で700人、道外で1550人のトラックドライバーが必要になるという。
この問題は5年後に結論が出ることになっている。説明したホクレンの板東寛之専務は「北海道産農畜産物を全国に確実にとろけるには、JR貨物の利用が必須。JR貨物と新幹線の教養走行が維持されることが必要」と訴えた。
(写真)設立100周年を迎え、北海道農業をPRするホクレン
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