農業融資残高 2.6兆円 着実に増加-農林中央金庫2021年3月10日
農林中央金庫はこのほど農業金融の取り組み状況をまとめた。農業融資残高は全国で5兆円でそのうちJAバンクが2.6兆円を占めている(2019年度)
JAバンクは2016年以降、目標進捗管理を開始し農業融資に取り組んでききた。担い手の大規模化や、TPP(環太平洋連携)協定の締結などによる政府の対策への対応などで、農業融資残高は着実に増加している。
2016年度に2兆3600億円だった農業融資残高は19年度で2兆5850億円となった。このうちJAが1兆2000億円、信連が8200億円、農林中金が5500億円となっている。
新規の長期資金の融資額は2016年度3300億円、17年度3700億円、18年度4108億円、19年度4122億円と伸ばしている。
この間、農林中金は新たに大規模なタマネギの生産・加工販売に取り組む意向の農業法人とタマネギの安定調達を志向する食品企業をマッチングし、事業計画の策定を支援した。
融資は運転資金1億円、加工施設の新設資金9.8億円を実施してサポート。新たな加工施設では地域のタマネギ農家からの仕入れるなど、支援した農業法人だけでなく地域の農家の所得増大にもつながっている。
また、農業法人向けのコンサルティングを2018年度から農林中金、信連を中心に実施。事業性評価と経営課題の「見える化」、ソリューション提案を実施している。2020年度までに累計148の法人に実施している。ある柑橘農家へのコンサルでは、規模拡大意向はあるものの、現状の直販、手詰めによる選別では新たな雇用が発生し、コスト増となることが見込まれた。そのため労務費と委託費のシミュレーションを実施し「自家選別・箱詰め」から一部を「JA委託」することを提案し、コスト増を抑えた事業規模拡大が実現したという。
新型コロナ対応では営農継続に必要な資金を提供してきた。農業者向け資金対応実績は今年1月末時点でJA・信連が5038件342億円、農林中金が554件156億円となっている。農業者の資金繰りを低利融資や保証料負担などで支援している。
支援事例では東海地方の農業法人がコロナ禍で業務用レタスの出荷が停止。信連は地元JAや経済連と地元での出荷を支援。農林中金は取引先の青果業者を通じて首都圏の大手スーパーや量販店への出荷を支援したなどの取り組みもある。
JAの自己資本比率(2019年度)は2019年度で15.7%(前年比0.3%減)、リスク管理債権比率は1.4%(0.2%減)、信連(2020年3月期)は同15.3%(0.3%減)、同0.8%(変わらず)。農林中金は総自己資本比率(2020年12月期)23.7%(2.3%増)、有価証券含み益(同)3.5兆円(0.9兆円増)となっており、JAバンクは十分な経営健全性を確保しているとする。
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