国産飼料比高めた畜産品 売れ行き大幅増 パルシステム2022年6月28日
パルシステム生協連が今年度から販売している飼料用米や子実用トウモロコシなど国産の飼料比率を高めた豚肉や鶏卵の売れ行きが好調だ。飼料用米の使用比率を30%から40%に引き上げた豚肉は割高にも関わらず前年比145%(4‐6月)の販売実績となっているという。
6月27日に開いた「国産飼料比率引き上げ発表会」で明らかにした。
発表会では、ともに4月から販売を始めた「日本のこめ豚」「コア・フード国産飼料で未来へつなぐ平飼いたまご」を中心に、来場した生産者2人を交えて輸入飼料の現状と国産化へ向けた商品開発の経緯などを説明した。国際情勢の急激な変化で穀物をはじめとする飼料価格が高騰するなか、遊休農地を活用した飼料用米とトウモロコシなど国産飼料を積極的に活用してきた生産者に関心が集まった。
飼料自給の重要性を痛感
4月から飼料用米の比率を40%に引き上げた「日本のこめ豚」を飼育、出荷しているのは「秋田県ポークランドグループ」。
社員は130人、平均年齢は37歳と若く「農業で幸せになろう」を掲げる。パルシステムとの産直契約は1998年から。年間15万頭を出荷し、そのうち4万頭をパルシステム向けに出荷している。
飼料用米を使った「日本のこめ豚」生産に取り組んだのは2008年からで飼料用米の使用を段階的に増やしていった。県内の農家に飼料用米を作付けてもらい農地を有効活用する目的もあったが、豊下勝彦代表によると2011年の東日本大震災の際、輸入飼料が大幅に不足し「輸入に頼っているとこういうことになる」と飼料自給の重要性を痛感したという。その年は、県内の飼料用米を集めて肥育を続けた。

アニマルウェルフェアにも配慮してもみ殻、チップ、たい肥を発酵させたバイオベッドによる室内放牧でストレスを軽減し健康な飼育にも取り組んでいる。
4月からは出荷前2か月の仕上げ期の配合飼料の飼料用米割合を30%から40%に引き上げた。
豚肉価格は1パック160g451円。飼料用米配合割合が30%の豚肉は1パック170gで同価格。割合が40%のほうが割高だが、
4-6月期に48万5000パックの注文があり、前年比で145%だという。販売額は2億1000万円で同140%となった。
秋田県ポークランドグループでの年間の飼料用米の使用料は1万2500t。全農北日本くみあい飼料で配合飼料を製造し利用している。パルシステムの島田朝彰産直事業本部長によるとパルシステム全体で2万tの飼料用米を利用しているという。
左から、豊下さん、島田産直事業本部長、松﨑さん
地域の耕種農家と連携
穀物飼料全量の国産化を実現した「コア・フード国産飼料で未来へつなぐ平飼いたまご」の生産、供給も開始した。
JAやさとの平飼生産部会の松﨑泰弘さんの松﨑養鶏場のほか、千葉県のアグリイノベーションカンパニー、静岡県の伊豆鶏場で生産している。
松﨑さんは3000羽を平飼いし1000羽で穀物飼料100%を実現、飼料全体でも90%以上を国産にした。濃厚な味にこだわり、茨城県で子実用トウモロコシを生産する生産者と「持続可能な経営と地域活性化で意気投合」し、子実用トウモロコシの提供を受ける連携が実現した。他の2農場も千葉県内の生産者から子実トウモロコシが供給されている。小紙で紹介した千葉県成田市の小泉ファームも供給元になっている。

4月発売時は3農場から毎週1500点限定の予約登録販売としたが、2000点の予約が集まり、パルシステムは追加登録したという。価格は6個1パックで480円。松﨑さんは「生で食べてもらえば違いを分かってもらえると思います」と話し、「飼料の国産化で国際情勢に影響を受けにくい経営を実現し、農地を守り地域を活性させていきたい」と強調する。
パルシステムは耕畜連携に力を入れ、持続可能な日本型畜産モデルの推進をめざしている。
4月からの好調な販売には、穀物などの国際相場が高騰するなか、同生協連では組合員に改めて食料自給率への関心が高まっているとみる。輸入に依存する飼料の国産への切り替えや、資源循環型の農業を「買って支える」意識が重要で、同生協連は2030年ビジョンで「たべる」「つくる」「ささえあう」を掲げている。
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