たい肥、粗飼料の広域流通体制の構築を JAグループ畜酪対策2022年6月29日
JAグループは6月の全中理事会で「令和5年度畜産・酪農対策に関するJAグループの基本的考え方」を決めた。飼料価格の高騰対策の拡充や輸入依存飼料の増産、国内資源の有効活用などを柱に政策要請をしていく。
飼料価格の高騰対策では、配合飼料価格安定制度の安定的な運用と拡充が必要だとするとともに、生産者による省資源化や、効率的利用など経営改善への取り組みへの支援も提起していく。たとえば、飼料分析をふまえた飼料給与や、長期肥育の抑制、畜舎環境の改善などの取り組みに支援策を講じるべきだとしている。
また、経営維持のための柔軟で万全な資金対策の措置と、乳価の引き上げなど再生産に配慮した適切な価格形成や国民理解の醸成を一層すすめることも求めている。
輸入依存度の高い飼料用トウモロコシなど生産拡大への支援を大幅に拡充することや、排水性向上へのほ場整備、保管・流通体制の整備、品種開発などを一層加速することも求めていく。
飼料については今後は国際市場での「買い負け」も想定し、増産に向けてJAグループは「輪作支援や畑作トウモロコシ支援の創設など、思い切った対策が必要」と提起している。
また、老朽化した家畜排せつ物処理施設、機械の整備、たい肥の高品質化・ペレット化とたい肥の広域流通への支援拡充も求めていく。
粗飼料など、国内資源の有効活用と広域流通体制づくりも必要になる。九州の畜産地帯から東日本の水田地帯へたい肥を広域流通させ、一方で水田地帯から畜産地帯へ稲わらを流通させる国内での資源循環も今後は一層重要になってくる。国産稲わらで飼料に使われているのは9%で70万t程度。JAグループは、輸入飼料と肥料価格の高騰をふまえ「広域流通を含む国内資源の有効活用の取り組みに手厚い支援を講じる必要がある」と強調している。
生産基盤対策は、地域一体となった生産性、収益性向上を継続して支援するため、畜産クラスター事業の十分な予算確保と、ⅮXを活用した事務手続きの簡素化、支払いの迅速化も必要だとしている。
和牛肉の安定供給と輸出拡大に向け、増頭奨励金の十分な予算確保、都府県酪農の生乳生産基盤の維持に向け自家育成増頭支援などの継続も求めていく。
そのほか、省力化機械装置の導入や、拡充されたヘルパー対策など、労働負担軽減に向けた支援の継続、空き牛舎情報の集約と新規就農者とのマッチングなど、計画的な経営継承を進めるための仕組みと支援体制の整備も必要だとしている。
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