馬路村農業協同組合「第62回農林水産祭」多角化経営部門で天皇杯を受賞2023年10月23日
馬路村農業協同組合(高知県安芸郡)は第62回農林水産祭の多角化経営部門の天皇杯を受賞し、11月23日に明治神宮会館で行なわれる農林水産祭式典で表彰される。多角化経営部門での受賞は高知県で初めて。
馬路村のゆず
県東部の徳島県との県境に位置する馬路村は、周囲を標高1000メートル級の山に囲まれ、村の総面積の約96%が森林で占められる人口800人の小さな村。特産のゆずの栽培は昭和38年に始まった。
林業が衰退する中、新たな産業として取り組んだゆずの栽培と販売は農業協同組合にとって大きな挑戦となり、当時はゆずを知っている人は少なく、全国の百貨店催事に出店してもあまり手に取ってもらえない状況だった。そこで、「どうすれば、ゆずを美味しいと思ってもらえるのか」と試行錯誤する中、消費者に普段からゆずを味わってもらえるよう、ぽん酢やドリンクを開発。また、ゆずを無駄なく使うため、皮はジャム・ゆずこしょうに、種はスキンケア商品にするほか、残った部分は村の製材所のおが屑と混ぜて堆肥にし、生産者へ無料で配布した。
平成13年からは、より消費者が安心してゆず商品を手に取れるよう、有機農業などに則った栽培を全農家で実施。商品製造や受注、発送は村内に施設を整備し、ほぼ自組合で行うことで委託の場合のコストを減らし、生産者への利益の確保や地域雇用にも一役買っている。
過去に開催された「ゆずはじまる祭り」の様子
現在は、インスタグラムや、フェイスブックなど若手チームによるSNSでの情報発信、楽天等への出店など、新たな販売チャネルも積極的に開拓。幅広い世代へのアプローチや、販路拡大のため加工品の輸出も順次拡大している。今回の受賞は、こうした「ゆず」をおける事業を多岐にわたり長年継続してきたことが評価された。
同組合は今後もゆずのあらゆる可能性を模索しながら事業を進めていく。今年は、その年のゆずの実りを祝う「ゆずはじまる祭り」を4年ぶりに開催。コロナ前は全国から3000~4000人が参加していたイベントで、ゆずづくしの郷土料理が楽しめるほか限定スイーツ、限定ドリンクも楽しめる。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(121) -改正食料・農業・農村基本法(7)-2024年12月7日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(38) 【防除学習帖】第277回2024年12月7日
-
農薬の正しい使い方(11)【今さら聞けない営農情報】第277回2024年12月7日
-
水田活用の直接支払交付金 十分な予算を 自民議員が農相に要請2024年12月6日
-
(412)寿司とピザ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年12月6日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】議論の前提が間違っている~人口問題、農業就業者問題2024年12月6日
-
JA共済連が「隠レア野菜プロジェクト」に取り組む理由 食品ロス削減で地域貢献へ2024年12月6日
-
国産飼料増強 耕畜連携を農業モデルに 企画部会で議論2024年12月6日
-
農林中金がグリーンボンドに300百万豪ドル投資 生物多様化の保全啓発に寄与2024年12月6日
-
鳥インフル 米オレゴン州、テネシー州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年12月6日
-
JAみっかび「三ヶ日みかん」7日放送のTBS『王様のブランチ』に登場2024年12月6日
-
家畜へ感謝 獣魂祭で祈り JA鶴岡2024年12月6日
-
「秋田県産あきたこまち40周年記念フェア」仙台と銀座の直営飲食店舗で開催 JA全農2024年12月6日
-
野菜の総括 2024年は野菜にとって苦難の年 タキイ種苗2024年12月6日
-
米を選ぶ理由は「おいしいから」63.1%「お米についてのアンケート調査」日本生協連2024年12月6日
-
熊本県産デコポンPR 東京・大阪で初売りセレモニー JA熊本果実連2024年12月6日
-
「奈良のいちごフェア」9日から開催 ホテル日航奈良2024年12月6日
-
雑穀の専門家を育成「第8回 雑穀アドバイザー講座」開催 日本雑穀協会2024年12月6日
-
埼玉に「コメリハード&グリーン秩父永田店」12月21日に新規開店2024年12月6日
-
アイリスオーヤマ 宮城県と包括連携協定締結 パックごはん輸出で県産米販路拡大へ2024年12月6日