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シリーズ:新世紀JA研究会 課題別セミナー

2018.11.27 
本店職員で確認チーム 信用事業の内部統制【川島徹・JA東京中央リスク管理室長】一覧へ

川島徹・JA東京中央リスク管理室 平成29年7月に中央会・信連合同による「信用事業内部統制の整備にかかる説明会」で、取り組み概要、目的、今後のスケジュール、支援ツールについて説明を受けました。
 8月に本支店管理者を集め、公認会計士監査への移行に関する目的、今後の方向性、対応などについて説明を行い、共有を図りました。
 以後、本店職員による「内部統制整備状況確認チーム」を立ち上げ、打ち合わせを重ねながら、支援ツールの使い方や検証目線の確認を行いました。なお、今までの説明会資料や研修会資料をもとに、内部統制が導入される経緯、目的などを以下のように整理し、打ち合わせにおいて周知しました。

 

(写真)川島徹・JA東京中央リスク管理室長

 

◆経緯・目的を整理

 ▽改正農協法によりJA全中の一般社団法人化、監査機構監査義務の廃止とともにJAに公認会計士監査が義務付けられたこと、▽公認会計士監査はリスクアプローチ手法を明確にしていることからも、財務諸表の虚偽表示に繋がるリスクのある項目・業務を対象とすること、▽内部統制に対する捉え方として、「ルールが作成(整備)されているか、そのルールに基づいて実施(運用)されているか」、加えて「リスクの抽出、それに対応すべきコントロールの理解、その理解度を高めるための指導」。そのような取り組みが重要であり、その適正実施によって「事務ミス防止や業務の効率化に繋がり、財務諸表の虚偽表示といった不祥事の防止・発見に繋がる」こと。このような考え方や目的を共通認識として、10~12月にかけて全支店の整備状況を確認する。
 年度が替わり、平成30年5月にPDCAサイクルの取り組みとして運用状況の再確認として前回10月に抽出された不備事項の改善状況を全支店臨店で行う。
 前回同様、確認ポイントを、(1)適正な事務手順に則った事務処理であるか、(2)役席者がリスクポイントを理解しているか、(3)過去の検査監査で指摘が多い事項に対して本店が指示した事項が定着しているかとし、確認結果の講評において「評価記述書は公認会計士監査目線で作成されていることから、習熟することによりリスクポイントの把握となり今後の監査対応のツールになり得ること」をあらためて伝える。
 また、今後、我々の事務レベルが公認会計士監査で問題視されない水準、すなわち監査証明を得られる水準に達することが必要と伝え、万一、監査証明が得られない場合は信用事業が継続できず、信用事業譲渡に繋がるシナリオを示し、危機意識を持たせた。
 7月には役員改選後初めての理事会でもあるため、あらためて公認会計士監査への移行、内部統制の重要性を説明するともに、現状の取り組み、今後の取り組みについて報告するなど、随時、理事会への情報共有を図った。
 中央会・連合会が示す取組みスケジュールは一区切りとなるが、引き続き本店職員による協議を重ね、臨店・研修を中心とした事務指導を展開し、内部統制の高度化に取り組む。

 

課題

 ▽今回の取り組みで、本店が中心となった臨店指導体制が向上したと思われるが、この体制、取り組みをどのようにして継続していくか、▽今後の実施にあたり、確認手続を具体的にわかりやすく作成し、経験や知識の少ない管理者であっても深度ある確認をできるようにする必要がある、▽しかしながら、現状、内部統制に関してシステム的なものは使用していない、▽内部統制を機能させるためには自律的に不備を抽出できる仕組み(PDCAサイクル)が重要と考える。そのためには、不備の発見機能となる「自主点検」、これを形骸化することなく効果的に行う必要がある。

 

対策

 ▽今回の「内部統制」を一過性でなく継続的に行うには、本店所管部署による継続的な指導が重要と考える。具体的には、制定したルールや見直した事務手順について指示文書の発出にとどまらず、定着や理解度を確認するための臨店指導もしくは研修会の開催を積極的に行う、▽人事異動によって役席者が替わっていくことから、昨年度から始めた「新任役席者を対象とした信用事業の検証ポイント研修会」を、手法を見直しながら効果的に行う。
 さらに▽自主点検を形骸化無く効果的に行うために、本店所管部署により点検項目の見直しを定期的に行う、上記の対策について『事務リスク管理委員会』を協議の場とし、中央会等のアドバイスを受けながら引き続きリスク管理室が事務局として対応していく。
取り組みを通じて
 ▽今回の取組みを振り返り、各部署の臨店指導の意識が向上したと同時に、従来における事務の検証を監査室に頼っていたことに気づく。本来の事務検証とは本店所管部署が検査・監査の前に指導的観点を持って行うもの、そのような気づきに繋がった。
 さらに、▽JA東京中央の内部統制はけっして高度なものではなく、特別なシステムやツールを取り入れたものでもない。しかし、この取り組みを通じて得た「自律的に不備を抽出し、その不備について本店職員が支店に出向き、粘り強く指導する」。職員同士の関わりに重きを置いたこの考えを原点としていく。

 

※このページは新世紀JA研究会の責任で編集しています。

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