JAの活動:今さら聞けない営農情報
有機質資材を活用した施肥(32)【今さら聞けない営農情報】第213回2023年8月26日
みどりの食料システム法が施行され、国内の肥料資源(特に有機質資材)を活用した施肥の重要度が増しています。そこで本稿では、堆肥、汚泥肥料、食品残渣、有機質肥料、緑肥作物といった有機質資材を有効活用するために、順次有機質資材利用にあたって理解しておきたい基本的事項をご紹介しています。
前回までに堆肥について紹介しましたので、今回は堆肥と同じく、有益な国内資源と考えられている汚泥肥料についてご紹介します。
汚泥肥料は、従来は特殊肥料として扱われていましたが、平成12年の肥料取締法関係告示において、「汚泥」等を原料として使用する肥料を普通肥料とすることになり、汚泥の種類などによって公定規格が定められました。
その種類には、①下水汚泥肥料、②し尿汚泥肥料、③工業汚泥肥料、④混合汚泥肥料、⑤焼成汚泥肥料、⑥汚泥発酵肥料、⑦水産副産物発酵肥料の7つがあります。
このうち、汚泥等の原料の違いに関するものは、①~③で次のようなものです。
①下水汚泥肥料:下水道終末処理場の汚泥やこれに植物質または動物質の原料を混合したもの
②し尿汚泥肥料:し尿処理施設や集落排水処理施設もしくは浄化槽の汚泥に植物質または動物質の原料を混合したもの、
あるいは人ふん尿や家畜および家禽のふん尿に凝集剤または脱臭剤を使用したもの、これに植物質または動物質の原料を混合したもの
③工業汚泥肥料:工場もしくは事業場の排水処理施設の汚泥や、これに植物質または動物質の原料を混合したもの
④混合汚泥肥料:上記①~③のうちの2種類以上を混合したもの
続く⑤焼成汚泥肥料は①~④のいずれかを焼成して製造したものをいい、⑥汚泥発酵肥料は①~④を堆積または撹拌したのち腐熟させたものをいいます。
最後の⑦水産副産物発酵肥料は、魚介類の臓器に植物質または動物質の原料を混合し、堆積または撹拌したのち腐熟させたものをいいます。
上記をみればわかるように、汚泥肥料は排水の種類や処理法、あるいは季節などによって肥料成分が大きく変動しますので、使用前に肥料成分の内容をよく確認する必要があります。
次回、汚泥肥料の成分組成についてご紹介します。
◇ ◇
本コラムに関連して、ご質問や取り上げてほしいテーマなどがございましたら、コラム・シリーズ名を添えてお問い合わせフォーム(https://www.jacom.or.jp/contact/)よりご連絡ください。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】ピーマンにアザミウマ類 県内全域で多発のおそれ 大分県2025年7月10日
-
【注意報】トマト、ミニトマトに「トマトキバガ」県内全域で多発のおそれ 大分県2025年7月10日
-
【注意報】イネカメムシ 県内全域で多発のおそれ 埼玉県2025年7月10日
-
【特殊報】メロンにCABYV 県内で初めて確認 茨城県2025年7月10日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】コメ増産こそが自給率を向上させる~輸入小麦をコメで代替すれば49%2025年7月10日
-
【第46回農協人文化賞】地道な努力 必ず成果 経済事業部門・愛知県経済連会長 平野和実氏2025年7月10日
-
【第46回農協人文化賞】全ては組合員のため 経済事業部門・宮崎県農協副組合長 平島善範氏2025年7月10日
-
ジネンジョとナガイモ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第348回2025年7月10日
-
【2025国際協同組合年】SDGsと協同組合 連続シンポジウム第4回2025年7月10日
-
備蓄米 コンビニの7割で販売を確認 7月9日時点 農水省調査2025年7月10日
-
【人事異動】農水省(7月11日付)2025年7月10日
-
水稲の斑点米カメムシ類 多発に注意 令和7年度病害虫発生予報第4号 農水省2025年7月10日
-
【JA人事】JA加賀(石川県)新組合長に道田肇氏(6月21日)2025年7月10日
-
【JA人事】JA新みやぎ(宮城)新組合長に小野寺克己氏(6月27日)2025年7月10日
-
「田んぼの生きもの調査」神奈川県伊勢原市で開催 JA全農2025年7月10日
-
「米流通に関するファクトブック」公開 米の生産・流通など解説 JA全農2025年7月10日
-
「おかやま和牛肉」一頭買い「和牛焼肉 岡山そだち」ディナーメニューをリニューアル JA全農2025年7月10日
-
本日10日は魚の日「呼子のお刺身いか」など150商品を特別価格で販売 JAタウン2025年7月10日
-
転炉スラグ肥料がイネの発芽・発根・出芽を促進 農研機構2025年7月10日
-
適用拡大情報 殺菌剤「日曹ムッシュボルドーDF」 日本曹達2025年7月10日