JAの活動:今さら聞けない営農情報
農薬の正しい使い方(37)【今さら聞けない営農情報】第303回2025年6月21日
「いまさら」では農薬を正しく、安全に、しかも高い効果を得るため、農薬の正しい使い方の基礎知識をご紹介しようと考えています。農薬の防除効果は、有効成分をいずれかの方法で作物に付着または吸着させることができてはじめて発揮されますので、高い効果を発揮させるには、有効成分をいかに効率よく作物に付着させるかが鍵となります。すでに、水に希釈して散布する剤型を題材にそれらを効率的に作物へ付着させる方法について整理しました。現在は、製剤をそのまま散布する農薬の散布機械をご紹介しています。
1.人力散布器(つづき)
(3)ジャンボ剤等拡散性製剤の散布
⑤顆粒水和剤
顆粒水和剤は、希釈薬液を作る際に粉立ちがほとんどなく、安全・容易に希釈できる製剤で、一般的に水に希釈して散布します。水稲除草剤では、粒剤や液状のフロアブル剤やジャンボ剤など希釈しないで散布する製剤が多かったのですが、水稲除草剤を顆粒水和剤にすることで、いくつかの簡易な散布方法が可能となりました。
まず最初が、水に希釈して散布する方法です。10aの水田に散布する場合、水稲除草顆粒水和剤を専用ボトルに入れた500mlの水に希釈し、水田畦畔を歩いて回りながら専用のボトルを手振りしてボトル内の希釈液を水田に振り入れるか、希釈液を専用の加圧式散布器に入れ、ジェット水流で水田内に飛ばして散布します。後者の専用の加圧式散布器であれば、散布液自体は霧状にならずに水流のみなので、ドリフトの心配もなく散布できます。
その他、顆粒水和剤の特殊な使い方として水口処理法があります。これは、田植え後の入水の時に、水口から流れ込む水に対して、水田の面積分の量の顆粒水和剤を量り取って水流に落とし込み、水流に載せて拡散させる方法です。水口処理であれば、水田の畦畔を歩いて回る必要が無いので散布時間を大幅に減らすことができる省力的な方法です。ただし、オーバーフローが起こらないように水田内が必要な水深になったら水口を止める必要があります。なぜなら、水稲除草剤は、散布直後にまだ灌漑水の中に除草剤の有効成分があるため、その段階でオーバーフローすると折角の有効成分が水田外に出るばかりか、河川等の水田外の環境に流れ出てしまう恐れがあるからです。
なお、他の水稲除草剤と同様に水を介して有効成分が水田全体に拡散した後に、徐々に沈降して処理層をつくるため、効果を最大限発揮させるためには、十分な水深が必要です。また、田面に藻など拡散を邪魔するものがあると、拡散が妨げられて効果低下や薬害の原因になりますので注意して下さい。
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