JAの活動:今さら聞けない営農情報
農薬の正しい使い方(50)【今さら聞けない営農情報】第316回2025年9月20日
「いまさら」では農薬を正しく、安全に、しかも高い効果を得るため、農薬の正しい使い方の基礎知識をご紹介しています。農薬の防除効果は、有効成分をいずれかの方法で作物に付着または吸着させることができてはじめて発揮されますので、高い効果を発揮させるには、有効成分をいかに効率よく作物に付着させるかが鍵となります。前回までに、各種剤型の特徴と散布方法について、特に農薬の製剤に焦点をおいて農薬の正しい使い方のヒントをご紹介してきました。しかし、農薬をより効率よく正しく使用するためには、製剤の選択の他に散布対象となる作物やその生育ステージ、あるいは病害虫雑草の生態に合わせた使い方も重要になります。前回までに、農薬を選ぶにあたっては、まずは作物と防除したい病害虫雑草を定め、それに応じた農薬を防除暦や指導指針、検索サイトを参考に農薬の候補を選び、散布法の選択について紹介しました。今回は、作物の生育ステージに合わせた選択です。
実は、農薬の製剤によって使用できる幅が大きく異なります。
一番使用できる幅が広いのが水和剤やフロアブルなど水で希釈して散布する製剤です。散布法によっては、作物の形状に合わせて葉の表裏まで丁寧に散布することができたり、生育ステージに合わせて希釈水量を増減させたり、播種時や植付時などは灌注処理をしたりと多様な処理法など、多様な散布方法を選ぶことができます。
基本的には希釈液を噴霧ノズルで噴霧することは共通していますが、その散布機器には、手押し噴霧器や背負式動力噴霧機などの小型なものから、動力噴霧機や乗用型管理機、ブームスプレーヤー、スピードスプレーヤーなど大型の機械までを様々にあります。
水希釈散布剤は、基本的にこれらの機器を作物の種類や生育ステージで使い分けます。
例えば、背の高い果樹に散布しようとする場合、背負式動力噴霧機を使用すれば果樹の1本ごとに葉裏まで丁寧に周辺への飛散を減らした散布をすることができますが、長い時間と多大な労力がかかります。背負式動力噴霧機でも散布が可能な栽植本数には限りがあり、栽植本数が数百本範囲になるとま背負式では時間と労力ばかりかかって効率が悪くなり、お勧めできません。そういった時にはやはりスピードスプレーヤー(SS散布機)を使用する必要があります。このように経営規模に合わせて散布機械を選ぶことも重要になります。(つづく)
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