海外研修スタート 青年農業者のリーダー育成2013年12月3日
JAグループの青年農業者研修報告(1)
JA全中とJA全青協が主催する青年農業者のリーダー育成・交流研修会が12月2日、ベトナムの首都ハノイで始まった。参加者はJA青年部盟友や中堅・若手のJA・連合会職員で北海道から九州から90名が参加している。一行はベトナムの後、タイ、シンガポールを回り9日まで研修を行う。
◆次世代を育成
この研修は、アジアにおける協同組合運動の取り組みや世界的視野から見たアジア農業の現状、アジアとの共生などを学び、将来のJA経営への参画に向けて青年農業者のリーダーとして必要な見識を高めることが目的。また、全国から集まった青年農業者同士の交流によって、JA青年組織とJAグループへの結集を強めるとともに、相互研さんを通じて、地域農業のリーダーとしての意識を高めてもらう狙いもある。 さらに今回はJAグループ中堅職員の参加も図り、青年農業者との交流によってJAグループに次代の担い手とのつながりを強めようと企画された。
12月1日には成田で事前研修が行われた。JA全中の大西茂志常務は主催者として「青年農業者とJA職員が同じ釜の飯を食って語り合うことがまさに次代の農協運動の基礎を築くもの。単に現地で研修して終わりではなくその後の取り組みに活かしてほしい」などとこの研修の意義を話した。
また、研修団の団長でもある山下秀俊JA全青協会長は「JA全国大会決議は次代につな協同。間違いなくわれわれにスポットが当てられている。9日間という短い期間だが充実した研修にしたい。私は出会いは一瞬、付き合いは一生と思っている。この研修が一生の宝になるのではないかと思う」などと述べた。
(写真)
(上から)成田での事前研修会であいさつする萬代JA全農副会長、大西JA全中常務、山下JA全青協会長
◆参加者は農業守る仲間
事前研修会では萬代宣雄JA全農副会長が自らのこれまでの経験を振り返りながら、青年農業者とJAグループ職員に「伝えたいこと」を講演した。
萬代副会長は青年時に海外研修経験があり、今回の研修実現に向けて関係者への働きかけなど支援を行ってきた。自らも研修体験がきっかけとなって地域で仲間とともにさまざまな活動を始めたことなどを紹介、「ささやかな農業青年が地域を変えた。思いを呼びかければ同志が得られるもの。農業を守り地域を活性化させるという熱い思いを持ってほしい」などと話したほか、「安閑と先輩についていくのではなくもう少し先を見て仕事を」などJAグループ職員にも期待した。 そのうえで今回の研修について「研修後にも仲間と情報交換をして、それぞれの地域での事業・活動の発展の努力をしてほしい」とエールを送った。
そのほか、研修参加者は世界の食料・農業事情やJA全農の海外肥料事業、東南アジアを中心とした日本の農産物輸出の現状と課題、TPPをめぐる最新情勢など学び、翌日2日朝にベトナムに向かった。
ベトナムでは到着後にベトナム農業事情についての講義と同行している講師の野村一正・千葉科学大学教授による「青年農業者からの情報発信について」と題した講演が行われた。野村教授は「情報発信していないと誰にも分からない」と話し、地方の現場から発信すればメディアは取り上げ全国的な波及効果もあるなど「メディアも現場を教えてもらいたがっている。地域の農業ががんばっていることをもっとっと伝えていくべき」などと呼びかけた。また、ベトナム協同組合同盟の広報担当のロン部長が同国の農協の歴史と現状などを話した。
3日は現地ほ場やハノイ市内の市場を視察する予定。
(写真)
上:12月2日、ハノイでの研修会で講演する野村一正・千葉科学大学大学院教授
下:12月2日、現地での研修会がスタート。到着後、現地時間午後5時から研修。ベトナム・ハノイ市内のホテルで
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