TPP閣僚会合 合意見送りも2014年5月16日
5月19日からシンガポールでTPP閣僚会合が開かれるが、米国のUSTR(米通商代表部)高官はすでに「合意はない」と発言していると米国メディアが伝えるなど、市場アクセス以外の分野でも各国の対立があり、合意は見送られる可能性も高い。ただ、15日までベトナムのホーチミンで行われた首席交渉官会合では、農産物を含め市場アクセス交渉が行われ、日本は米国をはじめ10カ国と2国間協議を行うなど協議は進展したもようだ。
今回の首席交渉官会合では市場アクセス分野で日米協議が再開される可能性はないとされたが、内閣府の渋谷和久審議官による「重要品目がらみのセンシティブな話はしない」との条件で、事務的に処理できる課題について担当交渉官レベルで協議が行われた。
一方で、農産物の重要品目と自動車をテーマとしている大江首席交渉官代理とカトラーUSTR次席代表代行との協議は、事務レベルで協議が整わず再開は難しい状況にあるという。
米国以外の国とは農産物重要5品目も含めて協議が行われた。2月のシンガポール閣僚会合以降、事務レベルでの協議は行っており、今回は重要品目をめぐって2国間協議が行われたという。ただ、協議の進展状況は相手国によって異なり、大詰めの議論をしている国もあれば、今回の主席交渉官会合で初めて協議した国もある。
その他の分野では知的財産権、国有企業、労働、環境など10前後の分野で論点整理が行われたといい、それぞれ▽合意済み事項、▽事務レベルで協議継続し合意する事項、▽閣僚レベルの政治判断に委ねる事項、の3つに分類したという。
これを各国の首席交渉官が閣僚に伝え、19日からの閣僚会合に臨むことになる。渋谷審議官によるとUSTR高官は今回の閣僚会合について「それぞれの国の立ち位置を評価して、それを解決するための作業づくりを行う」と話していると米国メディアは伝えているとし、さらに「合意はない」と語っているという。
ただ、合意に向け重要5品目でも協議は進展するとみられることから予断を許さない状況に変わりはない。
(関連記事)
・【TPP】「方程式合意」で決議実現できるか?(2014.05.12)
・【コラム・森田実の政治評論】国民を裏切ったTPP交渉(2014.05.09)
・(84)重要品目の「聖域放棄」が合意事項か?―TPP日米協議―(2014.05.09)
・【TPP】反発強める米国議会(2014.04.28)
・【TPP】大筋合意できず 日米協議(2014.04.25)
重要な記事
最新の記事
-
(382)「ファミリー・ビジネス」の生き残り【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年5月3日
-
むらの掟【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第289回2024年5月2日
-
主食用多収品種の「にじのきらめき」が人気になる理由【熊野孝文・米マーケット情報】2024年4月30日
-
令和6年春の叙勲 5人が受章(農水省関係)2024年4月29日
-
シンとんぼ(90)みどりの食料システム戦略対応 現場はどう動くべきか(1)2024年4月27日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(8)【防除学習帖】 第247回2024年4月27日
-
土壌診断の基礎知識(17)【今さら聞けない営農情報】第247回2024年4月27日
-
【欧米の農政転換と農民運動】環境重視と自由化の矛盾 イギリス農民の怒りの正体と運動の行方(2)駒澤大学名誉教授 溝手芳計氏2024年4月26日
-
【注意報】麦類に赤かび病 県内全域で多発のおそれ 佐賀県2024年4月26日
-
【注意報】麦類に赤かび病 県内で多発のおそれ 熊本県2024年4月26日
-
【注意報】核果類にナシヒメシンクイ 県内全域で多発のおそれ 埼玉県2024年4月26日
-
【注意報】ムギ類に赤かび病 県内全域で多発のおそれ 愛知県2024年4月26日
-
「沖縄県産パインアップルフェア」銀座の直営飲食店舗で開催 JA全農2024年4月26日
-
「みのりカフェ博多店」24日から「開業3周年記念フェア」開催 JA全農2024年4月26日
-
「菊池水田ごぼう」が収穫最盛期を迎える JA菊池2024年4月26日
-
「JAタウンのうた」MV公開 公式応援大使・根本凪が歌とダンスで産地を応援2024年4月26日
-
中堅職員が新事業を提案 全中教育部「ミライ共創プロジェクト」成果発表2024年4月26日
-
子実用トウモロコシ 生産引き上げ困難 坂本農相2024年4月26日
-
(381)20代6割、30代5割、40/50代4割【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年4月26日
-
【JA人事】JA北つくば(茨城県)新組合長に川津修氏(4月20日)2024年4月26日