対融雪農作物被害防止へ 対策技術を通知2018年2月27日
農林水産省は2月23日、今後の雪解けの時期を前に、融雪の遅れによる農作物の生育や農作業への影響を回避するため、地方農政局を通じて都道府県に対し、現場での指導の徹底が図られるよう、被害拡大防止のための留意事項を通知した。
今年の冬は、強い寒気が断続的に日本付近に流れ込んだため、全国的に気温がしばしば低くなり、1月中旬から2月上旬までに断続的に続いた寒気のピーク時には、まれにみる大雪となった地域や最深積雪の記録を更新した地点もあった。
今後、雪解け時期を迎えるに当たり、除雪中の事故や気温上昇に伴う雪崩、落雪、融雪水による河川の氾濫、土砂災害の発生などが懸念される。
特に積雪の多い地域では、果樹の枝折れ、融雪水の停滞による湿害などの農作物被害の拡大と併せ、融雪の遅れによる農作物の生育や農作業への深刻な影響が予想される。
そこで同省では「農業技術の基本指針」(注)を踏まえ、融雪対策を徹底的に講じるよう求めた。
それによると、人命保護を第一に複数人で作業を行う、降雪で倒壊の恐れのある施設には近づかないなど、除雪作業時の安全確保を徹底すること。気象情報に留意し、落雪の恐れのある屋根に登ったり、軒下は歩かないなど事故防止を徹底すること。また融雪で河川が急激に増水する可能性があり、そこには近づかない。
特に平年の降雪量が少なく、融雪対策の経験が少ない地域では農作物などの被害拡大防止に向けて徹底した指導を図ること。また大雪に伴う被災施設の復旧では、農作物の栽培事情や資材の供給状況も考慮し、どの施設を優先的に復旧するか計画的な対応を図ること。
水稲、麦類、野菜、果樹、園芸施設、畜産など10分野での個別対策は、
融雪等に伴う農作物等の被害防止技術対策に係る留意事項についてでみることができる。
○問い合わせ先:同省生産局農業環境対策課まで
○TEL:03-3593-6495
(注)農業技術の基本指針は農業技術の基本指針(平成29年改定)で確認できる。
(関連記事)
・気候変動統合レポート2018年版発行 農水省など(18.02.20)
・今年の寒さ対策は?(18.02.10)
・地球温暖化時代の日本の農水産業 農研機構が研究成果発表(18.01.31)
・地球温暖化時代の農業・水産業で研究成果発表会(18.01.17)
・基幹的農業従事者10年で2割減-「白書」(17.05.23)
・豪雪地域の必需機械 ヤマハ除雪機新発売(17.04.17)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(140)-改正食料・農業・農村基本法(26)-2025年5月3日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(57)【防除学習帖】第296回2025年5月3日
-
農薬の正しい使い方(30)【今さら聞けない営農情報】第296回2025年5月3日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】「盗人に追い銭」「鴨葱」外交の生贄にしてはならぬ農産物2025年5月2日
-
【2025国際協同組合年】情報を共有 協同の力で国際協力 連続シンポスタート2025年5月2日
-
イネカメムシが越冬 埼玉、群馬、栃木で確認 被害多発の恐れ2025年5月2日
-
九州和牛をシンガポール人に人気のお土産に 福岡空港で検疫代行サービスを開始 福岡ソノリク2025年5月2日
-
就労継続支援B型事業所を開設し農福連携に挑戦 有機農家とも業務提携 ハピネス2025年5月2日
-
宮崎ガス「カーボン・オフセット都市ガス」 を県庁などに供給開始 農林中金が媒介2025年5月2日
-
5月29日から「丸の内 日本ワインWeeks2025」開催 "日本ワイン"を学び、楽しむ3週間 三菱地所2025年5月2日
-
協同心の泉 大切に 創立記念式典 家の光協会2025年5月2日
-
【スマート農業の風】(14)スマート農業のハードルを下げる2025年5月2日
-
(433)「エルダースピーク」実体験【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年5月2日
-
約1cm程度の害虫を強力捕獲「吊るしてGET虫ミニ強力タイプ」新発売 平城商事2025年5月2日
-
農中情報システム 自社の導入・活用のノウハウを活かし「Box」通じたDX支援開始2025年5月2日
-
洗車を楽しく「CRUZARD」洗車仕様ホースリールとノズルを発売 コメリ2025年5月2日
-
戦後80年の国際協同組合年 世代超え「戦争と平和」考える パルシステム神奈川2025年5月2日
-
生協の「地域見守り協定」締結数 全市区町村数の75%超の1308市区町村に到達2025年5月2日
-
ムコ多糖症ニホンザルの臨床徴候改善に成功 組換えカイコと糖鎖改変技術による新型酵素2025年5月2日
-
エフピコ×Aコープ「エコトレー」など積極使用で「ストアtoストア」協働を拡大2025年5月2日