米の事前契約拡大を-農水省研究会が中間まとめ2020年4月14日
農林水産省政策統括官が主催し有識者で構成する「米取引の事前契約研究会」は3月25日に中間とりまとめを行った。研究会では米消費が減少するなかで、「選ばれる米」をめざした取引についのて課題を整理し事前契約の拡大に向けた基本的な対応方向などをまとめた。米に関するマンスリーレポート4月号では生産者やJAに向けた事前契約の意義や取り組み方向などのポイント解説を掲載している。
米取引の事前契約研究会は今年1月から3月まで4回会合を開いた。
米の需要が毎年10万t程度の減少が続くなか、家庭消費よりも中食・外食での消費割合が増えるなどの環境変化のなかで、産地・生産者が中心になってマーケットで選ばれる米を届けていくことが安定的な米生産にとって不可欠になっている。
研究会は、そのために豊凶変動や価格変動リスクに対応しつつ、事前に販売先や販売数量などを見通すことができる事前契約の拡大が重要であるとの認識で議論した。
事前契約の比率は平成26年産の30%から令和元年産で約50%となっており、数量も143万tとなっている(年間5000t以上の集出荷業者への調査結果)。このうち複数年契約は85万tを占める。
事前契約といっても契約主体ごとに課題がある。生産者にとっては契約した数量より出来秋に超過、あるいは不足した場合への対応や、事前契約の相手と違うより高く買い取る業者を優先したりなどだ。
価格については、外食産業の場合は値ごろ感のある米を価格と数量とも事前に決めて確保したいが、量販店の場合は販売競争のなかで商品価格を柔軟に考える必要もあり、事前に決めることは難しいという。
こうした課題を解決するため中間とりまとめでは「生産者から実需者までが結びついたかたち」をめざすことが必要だと指摘。JAや集出荷業者、全国集出荷団体と流通業者が生産者、産地と実需者をつなぎ対話ができるようにして信頼関係を構築することが求められていると提起している。
そのうえで事前契約のあり方として▽契約の締結時期は播種前(4月~5月を基本に遅くとも6月まで)、または複数年契約とする、▽数量について出来秋の豊凶変動があった場合の調整ルールの取り決めが必要だとしている。
そのうえで生産者、JA段階では販売先のニーズを把握し実需者が求める米生産へと見直すことや、出荷契約はあくまで「契約」であり内容を遵守することは取引の基本との認識が必要なことを強調している。JAにとっては▽出荷契約数量を超えた数量部分は概算金や買取価格に差を設定する、▽生産者が契約事項を故意に履行しない場合は違約金を徴収するなどの取り組みも必要だとしている。
また、全農など全国集荷団体には、自らが持っている物流、精米、代金決済機能などを十分に活かしニーズの伝達と調整機能を発揮することが必要だとしている。実需者である中食、外食、小売には生産者、産地が再生産できるよう生産現場の状況を今まで以上に理解することに努め、自らのニーズを積極的に伝達し信頼関係の構築につなげていくことが重要だとしている。
国の対応方向としては事前契約に意義など生産者に対する普及啓発、優良事例の収集と横展開になどを行うことが必要だと提言した。
研究会は令和2年産の状況を検証し、改めて研究会を再開する方針だ。座長の中嶋康博東大大学院教授は、米の需要が減退するなか「水田から食卓までつながる米のフードチェーン全体で米の新たなニーズを開拓し事態を打開していく努力が重要」、「食べる側が真に求める米を確実に届けるためにも、品質、数量、価格、納入時期など事前契約事項のどれを固定し、どれを状況に応じて変化させるか、最終的な販売チャネルごとに設計していく必要がある」などのメッセージを出している。
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