斑点米カメムシ類、果樹カメムシ類など多発のおそれ 令和6年度病害虫発生予報第6号 農水省2024年8月8日
農林水産省は8月7日、令和6年度病害虫発生予報第6号を発表した。
向こう1か月の主要な病害虫の発生は、水稲では、斑点米カメムシ類の発生が、東北、関東、北陸、東海、近畿、中国、四国および北九州の一部の地域で多くなると予想されている。豆類では、吸実性カメムシ類の発生が、北東北、北関東、北陸、東海および中国の一部の地域で多くなる予想。また、オオタバコガの発生が、東北、関東、北陸、東海および南九州の一部の地域で多くなると予想されている。
果樹カメムシ類の発生は、南東北、関東、甲信、北陸、東海、近畿、中国、四国および九州の一部の地域で多くなる予想。この他、水稲のセジロウンカなど、地域によっては発生が多くなると予想されている病害虫があり、農水省は注意を呼びかけている。
各作物の詳細は以下の通り。
◎水稲
水稲で各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫と地域
・斑点米カメムシ類の発生が、東北、関東、北陸、東海、近畿、中国、四国および北九州の一部の地域で多くなると予想。岩手県、山形県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、鳥取県、島根県、広島県、徳島県および大分県から注意報が発表されている。同虫は、多くの種が水田周辺の雑草に生息し、出穂期になると水田に侵入し穂を加害。被害の程度は、出穂期、水田への侵入量、カメムシの発生種の構成等によって異なるため、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に、水田の観察を行い、適期に防除を実施する。
また、水田周辺の除草は同虫の発生量の抑制に効果的だが、出穂期直前の除草は、水田への侵入を助長し被害を増加させるおそれがあるため、出穂期の10日前までに完了すること。
・イネカメムシは、斑点米だけでなく、不稔被害も引き起こす斑点米カメムシ類の一種で、近年、発生の増加や減収被害が報告されている。同虫は、他の主要な斑点米カメムシ類と異なり、穂揃い期以降ではなく、出穂期に防除することが重要。発生が増加傾向にある地域では、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に、本田での発生状況を注視し、収量の確保に向け、効果の高い薬剤による出穂期の防除を実施する。
◎豆類
豆類で各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫と地域は次の通り
・吸実性カメムシ類の発生が、北東北、北関東、北陸、東海および中国の一部の地域で多くなると予想。富山県から注意報が発表されている。同虫の飛来状況は地域や園地により異なるため、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に、園内の観察をきめ細かく行い、飛来が認められた場合は、飛来初期から防除を実施する。
◎野菜・花き
野菜・花きで各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫と地域
◎作物共通
・オオタバコガの発生が、東北、関東、北陸、東海および南九州の一部の地域で多くなると予想。三重県から注意報が発表されている。都道府県が発表する発生予察情報等を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、適期に防除を実施する。結球野菜では、結球内部に食入した場合に防除が難しくなることから、結球前に防除を実施すること。
◎果樹・茶
果樹・茶で各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫と地域
◎果樹共通
・果樹カメムシ類の発生が、南東北、関東、甲信、北陸、東海、近畿、中国、四国および九州の一部の地域で多くなると予想。広島県と鳥取県から警報、福島県、新潟県、福井県、京都府、大阪府、徳島県、熊本県および宮崎県から注意報が発表されている。今後、当年世代(越冬世代以降の世代)を中心に、餌を求めて園地を移動するようになる。今年の越冬世代の発生が多かった地域では当年世代の発生量に注意が必要。
同虫の飛来状況は地域や園地により異なるため、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に、園内の観察をきめ細かく行い、飛来が認められた場合は、飛来初期から防除を実施する。
また、果樹カメムシ類は薄暮期から夜間を中心に活動するため、夕方の薬剤散布が効果的。
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