イミダクロプリド 使用方法守ればミツバチに影響なし 農水省2025年4月4日
農水省はネオニコチノイド系農薬の一つ「殺虫剤イミダクロプリド」のミツバチへの影響評価をまとめた。使用時期や場所を限定するなど、使用方法を守ればミツバチへの影響はないと評価した。4月25日までパブリックコメントを受け付けている。
農薬取締役法の改正によって農水省はすでに登録された農薬について最新の知見で安全性など再評価を行っており、農薬のミツバチへの影響も新たな方法で評価した。
これまでは個々のミツバチが直接農薬を浴びた場合(接触暴露)を評価していた。今回はそれに加えて直接浴びていなくても、農薬が残っている花粉や花蜜をミツバチが巣箱に持ち帰ることによって、巣内の他の成虫や幼虫が食べることによるミツバチの群への影響(経口暴露)も評価した。この評価方法は欧米と同様の考え方だ。
農水省はイミダクロプリドを含む殺虫剤38剤についてそれぞれメーカーが申請した被害防止方法を評価した。
その結果、▽きゅうりやピーマンなど連続して花が咲く作物にはミツバチが入れない「ハウスなどに使用場所を限定」、▽りんごなど果樹へ散布する場合はミツバチが訪れない「落花後に使用時期を限定」、▽アスパラガスとれんこんに散布する場合、花粉や花蜜の残留する量を減らすため「開花期およびその直前以外に使用時期を限定」といった使用法を守ればミツバチへの影響はないと結論づけた。
評価された事例のなかには被害防止方法を申請していない事例もあったが、1000~2000倍の希釈倍率など申請通りの使用法を守ればミツバチへの影響はないとされた。
接触暴露については欧米も日本も実測値で評価しているが、経口暴露について欧米では予測モデルによる推計のみで評価しているが、日本は実測値で評価した。
イミダクロプリドは水稲、果樹、野菜、茶などさまざまな害虫に広く使用されている。米国、カナダ、豪州をはじめとする地域で農薬登録されている。欧州は室内等での使用は認められているが、野外での使用は認められていない。
現在、食品安全委員会や環境省による評価も実施中。また、農業資材審議会農薬分科会で農薬使用者への影響評価なども実施される予定となっている。これらの評価がすべて終了した後、消費者庁による食品中の残留農薬基準値の設定と合わせ、実施すべき被害防止方法を盛り込んだ内容で登録の変更が行われる予定だ。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日
-
キウイブラザーズ新CM「ラクに栄養アゲリシャス」篇公開 ゼスプリ2025年4月30日
-
インドの綿農家と子どもたちを支援「PEACE BY PEACE COTTON PROJECT」に協賛 日本生協連2025年4月30日