農薬:年頭あいさつ2018
小池 好智 氏(クミアイ化学工業株式会社 代表取締役社長)2018年1月2日
経営統合による相乗効果を発揮
新年明けましておめでとうございます。
昨年5月1日、当社にとって歴史的な出来事であります、イハラケミカル工業との経営統合が行われました。この統合により、新しい農薬の開発から製造、販売に至るまでの流れを一つの会社で行うことができるようになりました。
また、9月には当社の"将来あるべき姿"を示した「中期経営計画」を策定し、公表しました。統合によるシナジー効果を早期に発揮させること、研究開発型企業として、農業生産場面での課題を解決できる強い企業を作り上げていくことを基本方針とした中期経営計画を確実に進めていくことで、新生クミアイ化学の企業価値を高め、農業の発展のために貢献できる企業にしていきたいと思います。
さて、当社の主力事業である農薬に関係する農業の分野では、一昨年の11月に農林水産業・地域の活力創造本部において、政府主導の「農業競争力強化プログラム」が決定されました。その中には、当社の事業にも関係する生産資材価格の引き下げや生産資材の買い方の見直しが盛り込まれました。
それを受け、JA全農では、農薬に関しては、担い手直送規格の拡大、品目集約、ジェネリック農薬の導入といった施策の実施が検討されています。これらの施策については本年から取り組みが加速していくのではないかと思います。
農薬は高品質な農産物を作るために必要不可欠な農業生産資材であるという観点から、当社は、農家の皆さまの生産性の向上や省力化に寄与していきたいと考えております。生産性の向上に関しては、担い手直送規格である大型包装規格を拡充してコスト低減を図るとともに、耕種新技術である密苗や鉄コーティング種子での水稲直播栽培などに対応する農薬を開発し、品揃えしてまいります。
省力化に関しては、当社の独自の製剤技術の活用やドローンによる散布技術、生育診断技術の開発にも関与していくなどしてまいります。これらにより、大きな環境の変化の中、農家の皆さまの役に立てる取り組みを進めてまいりたいと考えております。
昨年は九州北部での豪雨や台風による被害、また低温・日照不足などの天候不順により、地域によっては農業生産が必ずしも順調にいかない一年であったのではないかと思います。本年は天候の大きな変動もなく、農産物が安定的に収穫できることを願ってやみません。
農家の皆さまをはじめとした農業に携わる方々の、本年のご多幸をご祈念申し上げます。
農薬工業会副会長
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日