収入は微増、消費支出は微減 日本生協連「全国生計費調査」2016年3月18日
日本生協連は2015年の「全国生計費調査」結果(速報)をまとめた。
日本生協連は、1978年から全国統一版「生協の家計簿」による家計調査を実施し、96年からは、モニター登録制度による「全国生計費調査」を開始しているが、今回で20回目となる。
調査集計対象者は、全国46生協で12カ月連続して家計簿を提出した組合員1524世帯(平均年齢54.4歳、平均家族数3.5人)、調査期間は2015年1月~12月。
■収入は前年比0.9%増と微増
給与所得世帯の実収入は、月平均額で71万6638円と5年連続で増加。
そのうち世帯主が30代以下の世帯の実収入は月平均額で59万6876円と前年比3.4%の増加。世帯主が60代の世帯の実収入は月平均額で53万3121円と前年比3.9%の増加となっている。
■ 消費支出は前年比1.1%減と微減
給与所得世帯の消費支出は44万184円で前年比0.1%の微増だった。前年よりも支出が減少した費目は、家賃・地代、住居費その他、水・光熱費、交際費、職業主婦費、自動車関係費など。
しかし、年金世帯の消費支出は27万8957円で前年比▲10.6となっており、善モニター世帯でみると前年比▲1.1%の微減となっている。
■税金と社会保険料の負担が増加傾向
給与所得世帯では税金と社会保険料の負担が大きくなり続けており、税金計+社会保険料計の月平均額は、前年と比較して3.1%増加の15万3329円となっている。
■30代以下世帯の妻の収入は10年で1.8倍に
近年の生計費調査では妻の就労による収入(給料、賞与、自家営業、パート・アルバイト収入)が増加傾向にあり、2015年は11万1655円(前年比4.2%増加)で、収入に占める割合は15.7%となっている。特に、世帯主が30代以下の世帯における妻の就労による収入は、2006年調査では月平均額で5万5214円だったが、2015年は9万9341円と1.8倍となっている。
■高齢層でも就労による収入が重要に
年金の支給開始年齢の引き上げなどもあり、世帯主が60~64歳の世帯では収入に占める年金の割合が10%程度しかなく、就労による収入(給料、賞与、自家営業、パート・アルバイト収入)が大部分を占めている。世帯主が65~69歳の世帯においても、就労による収入の割合は30.1%となり、調査開始以来、初めて30%を超えた。高齢になっても働き続ける世帯が増えている。
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