セルフ式うどん、病者・高齢者食宅配伸びる 外食産業市場調査 富士経済2019年9月6日
(株)富士経済は9月3日、ファストフード、ホームデリバリー・ケータリングなどの外食産業市場調査結果を発表した。
調査は、ハンバーガー、回転ずし、牛丼などのファストフードなど6カテゴリー65業態を対象にした。
調査結果(6カテゴリー)の概要は次のとおり。
▽ファストフード
2018年3兆560億円、19年見込3兆1381億円(18年比102.7%)
▽テイクアウト
18年7兆5958億円、19年見込7兆6860億円(同101.2%)
▽ホームデリバリー・ケータリング
18年1兆1843億円、19年見込1兆1862億円(同100.2%)
▽交通機関(機内食、客船・列車内食、駅構内飲食店、高速道路SAなど)
18年1050億円、19年見込1036億円(同98.7%)
▽レジャー施設
18年9882億円、19年見込9862億円(同99.8%)
▽給食(産業給食、学校給食、福祉施設など)
18年4兆702億円、19年見込4兆1064億円(100.9%)
富士経済は、以上の6カテゴリー65業態の中から注目市場として、「セルフ式うどん」「病者・高齢者食宅配」を挙げているので紹介する。
▽セルフ式うどん(19年市場見込)1563億円(3.3%増)
セルフ式うどんは、うどんをメインに販売する業態。2000年に讃岐うどんチェーンの「はなまるうどん」と「丸亀製麺」が大量出店を進めて以降、市場は大きく拡大。セルフ式そばと比べて女性やファミリー層の支持を獲得していることが市場拡大の一因となっている。
18年は一部の大手チェーンが価格改定などで客数を減少させたことから、市場が前年割れとなったが、19年は前年に実績を落とした大手チェーンによるテレビCMの積極展開や、定番品を訴求する割引キャンペーンなどによりライトユーザーの需要が喚起されることや、各チェーンが継続して新規出店を続けていることから市場は拡大に転じると見込んだ。
▽病者・高齢者食宅配(同)968億円(2.7%)
病者・高齢者向けに栄養価や咀嚼(そしゃく。かみ砕く)・嚥下(えんげ。飲み込む)などに配慮された、そのまま食べることができる完全調理済み食品をメインに宅配で販売する業態である。
市場は堅調に推移していたが、大手企業の撤退や冷凍弁当宅配サービスとの競合などにより、16年、17年と市場は縮小した。
18年は一部の上場企業で低価格商品へのオーダーシステムが増えた影響により売上が縮小したものの、他の上位企業が高齢者人口の増加を受けて好調だったため、市場は17年比1.1%増となった。19年は各企業による拠点数の増加や既存店の営業力強化が奏功しているので、市場は18年比2.7%増を見込んでいる。
今後も高齢者人口および単身高齢者世帯が増加するため市場拡大が予想される。とくに病者食や咀嚼困難者用メニューは、継続した受注が期待される。高齢者向けの通常食も、おかずを中心に底堅い需要が予測されるとした。
この調査は、富士経済専門調査員によるヒアリングなどを19年5月から7月に行い分析したもの。この調査結果は『外食産業マーケティング便覧2019 No.1』にまとめられている。
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】ブロッコリーの黒すす病にSDHI剤耐性菌が発生 北海道2025年12月25日 -
【注意報】イチゴにハダニ類 県内全域で多発のおそれ 佐賀県2025年12月25日 -
家庭での米消費、前年比11.7%減 マイナス幅拡大、「新米不振」裏付け 米穀機構11月調査2025年12月25日 -
米価高騰に対応、「4kgサイズの米袋」定番化 値ごろ感出し販売促進 アサヒパック2025年12月25日 -
協同組合の価値向上へ「鳥取県宣言」力強く2025年12月25日 -
【世界を診る・元外交官 東郷和彦氏】トランプ再来の嵐 自国利益に偏重2025年12月25日 -
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】なぜ日本は食料難の経験を教科書から消したのか?2025年12月25日 -
【Jミルク脱粉在庫対策】基金初発動1.2万トン削減 なお過剰重く2025年12月25日 -
すべての都道府県で前年超え 2024年の県別農業産出額 トップは北海道2025年12月25日 -
【農と杜の独り言】第7回 祭りがつなぐ協同の精神 農と暮らしの集大成 千葉大学客員教授・賀来宏和氏2025年12月25日 -
国連 10年に一度「国際協同組合年」を決議2025年12月25日 -
秋田と山形の3JAが県越え連携協定2025年12月25日 -
日本産の米・米加工品の輸出促進策を議論 「GOHANプロジェクト」で事業者が意見交換 農水省2025年12月25日 -
26年産米の農家手取り「2万5000円めざす」 暴落の予兆に抗い再生産価格を確保 JA越前たけふ2025年12月25日 -
笹の実と竹の実【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第370回2025年12月25日 -
茨城県で鳥インフル 97万羽殺処分へ 国内10例目2025年12月25日 -
ホットミルクと除夜の鐘 築地本願寺でホットミルクお振舞い JA全農2025年12月25日 -
JA共済アプリ・Webマイページに「チャットボット」機能を導入 JA共済連2025年12月25日 -
5県9JAの農産物・加工品を販売 第46回マルシェ開催 JA共済連2025年12月25日 -
短期プライムレートを年2.125%に引き上げ 農林中金2025年12月25日


































