「農」起点の新会社設立 三井不動産とワールドファーム2020年8月4日
三井不動産株式会社(東京都中央区、菰田正信代表取締役社長)と有限会社ワールドファーム(茨城県つくば市、上野裕志代表取締役)は、農地の生産性向上と農業を起点に都心と近郊地域の人々をつなぐ新しい「都市づくり」を目指す新会社=三井不動産ワールドファーム株式会社(MFWF、東京都中央区、岩崎宏文代表取締役)を設立したと8月3日に発表した。

農業振興と近郊地域における雇用創出が最たる目的で、テクノロジーを活用した新会社を設立したもの。東京都心近郊地域で本格的な農業事業に8月1日から参入、事業を開始している。
リモートワークなどを行える柔軟な就労環境を提供するだけでなく、農業のプロを目指す人材や仕事を持ちながら時間や場所にとらわれずに農業に従事したい人々の受け入れを考えており、多様化するワーク&ライフスタイルに応えていきたいという。
農業収入の低さや従事者の高齢化、耕作放棄地の拡大などで自治体が抱える社会的費用が増加しているだけでなく、雇用創出も進まないため若者の都市部への流出が止まらない状況にある。
こうした課題の解決に向け、「儲かる農業」を実践しているワールドファームと都心を中心に街づくりを展開してきた三井不動産が手を組んで設立したMFWFは今後、「持続可能なスマート農業」を展開する予定で、農業の担い手を増やすだけでなく、安全・安心な国産野菜の安定供給に貢献する意欲を示している。
同社によると、儲かる農業の仕組みにテクノロジーを加え、農業の作業プロセスをより効率化し、効果的な人材育成を行うことで達成する生産性の高い農業ビジネスモデルが「持続可能なスマート農業」。
産地と都心近郊の人々が交流する機会が増えることで、新たな産業が創出される可能性も視野に入れている。
MFWFが自ら掲げる持続可能なスマート農業の特徴は、「生産・加工一体型の農業事業」「集団農法による組織的・計画的な農業運営」「加工・業務用野菜に生産を限定」「テクノロジーを活用した高い生産性の確保」「都心と近郊地域の人々によるイノベーション共創拠点の設置」の5つ。
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