生駒市で1.1億円の需要創出「さきめしいこま+プレミアムキャンペーン」2020年10月27日
「食」を通じた新しいコミュニケーションや価値観を提案するGigi(株)は、奈良県生駒市と連携して実施する、地域の店舗を先払いで応援する活動「さきめしいこま+プレミアムキャンペーン」で、発売したプレミアム付きチケットが完売。売上により1億1000万円分が地域での需要創出につながった。

生駒市は、自治体として全国初となる、地域の飲食店支援プロジェクト「さきめしいこま」を4月から開始。その後、「さきめしいこま+」として、対象店舗を物販店や理美容店などに拡大して取り組んできた。8月7日から実施した「さきめしいこま+プレミアムキャンペーン」は、同市内のさきめし登録店で先払いする際、利用金額の30%分を上乗せしたプレミアムチケットを数量限定販売。市内の174店舗が参加し、まちぐるみの取り組みとして盛り上がり、生駒市からの拠出金の満額消費をもってキャンペーンを終了した。
市役所が作成したポスター。「売切御免」の文字が消費者心理を刺激する
人口11万9000人の生駒市内で、購入された金額は、プレミアム分を含み1億1180万円と、地域経済の活性化に大きな効果をもたらした。今回、生駒市でのキャンペーンでは、 「1.キャンペーンサイトをリニューアルして訴求力をアップ」「2.参加店舗をサポートするため、コールセンターを設置」「3.参加申込にオンラインとFAX、2つの窓口を用意」「4.市役所の職員が積極的に店舗へ出向き、登録完了まで伴走」「5.ポスター、チラシを活用した広報活動で、キャンペーンをまちぐるみで盛り上げる」の5点に取り組んだ。
ひとつ目として、地元消費喚起を目的に、同キャンペーンを打ち出すにあたり、以前から運用していた「さきめしいこま+」のサイトをリニューアル。トップページにプレミアム総額の残総額の表示や、消費を促す工夫、さらに検索窓を大きく配置し、来訪者が応援したい店舗を見つけやすく、応援しやすい導線に配慮した。
また、近畿日本ツーリスト関西と連携した、プレミアムキャンペーン専用のコールセンター設置。参加を希望する店舗が「さきめし」の仕組み、登録、チケット利用時の対応など、つまづきそうなポイントに配慮したマニュアルを準備し、オンライン会議ツールZOOMを活用した事前説明会を実施した。
生駒市の取り組みでは、対象店舗を飲食店に限らず市内で営業する幅広い業種に広げている点が特長。「さきめしいこま+」への参加には、オンラインでの店舗登録が必須となるが、PCの操作を苦手とする店舗を支援の輪から取りこぼさないよう、申込をFAXで受け付ける窓口を設けた。また、FAXで申込をした店舗や、対面での説明が必要な店舗へは、市の職員が直接出向いて登録完了までサポート。この取り組みをきっかけに市役所と商店主との関係性を築くことができ、職員が労を惜しまず動くことで、順調に参加店舗を増やした。
さらに、市のホームページでの告知などと並行して、生駒市は店頭で配布できる独自のチラシを制作。店が顧客に対してお得なキャンペーンを案内できるようにすることで、来店した客が支援者となった。各個店の経営実態を把握し、先払い支援を4月から運用してきた生駒市の知見を活かした施策といえる。
1億円以上の需要を喚起できた要因として、生駒市の担当者は「やはり地元事業者のコロナ禍を乗り越えようという努力と、それを支えようとする市民の応援が決め手。お店の方から、常連さんにお得に使ってもらえるだけでなく、今回のキャンペーンがなければ訪れなかった新しいお客様の来店もあったと喜んでもらえたことが一番、今回のキャンペーンの成功を実感できた」と話した。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(173)食料・農業・農村基本計画(15)目標等の設定の考え方2025年12月20日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(90)クロロニトリル【防除学習帖】第329回2025年12月20日 -
農薬の正しい使い方(63)除草剤の生理的選択性【今さら聞けない営農情報】第329回2025年12月20日 -
スーパーの米価 前週から10円上がり5kg4331円に 2週ぶりに価格上昇2025年12月19日 -
ナガエツルノゲイトウ防除、ドローンで鳥獣害対策 2025年農業技術10大ニュース(トピック1~5) 農水省2025年12月19日 -
ぶどう新品種「サニーハート」、海水から肥料原料を確保 2025年農業技術10大ニュース(トピック6~10) 農水省2025年12月19日 -
埼玉県幸手市とJA埼玉みずほ、JA全農が地域農業振興で協定締結2025年12月19日 -
国内最大級の園芸施設を設置 埼玉・幸手市で新規就農研修 全農2025年12月19日 -
【浜矩子が斬る! 日本経済】「経済関係に戦略性を持ち込むことなかれ」2025年12月19日 -
【農協時論】感性豊かに―知識プラス知恵 農的生活復権を 大日本報徳社社長 鷲山恭彦氏2025年12月19日 -
(466)なぜ多くのローカル・フードはローカリティ止まりなのか?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月19日 -
福岡県産ブランドキウイフルーツ「博多甘熟娘」フェア 19日から開催 JA全農2025年12月19日 -
α世代の半数以上が農業を体験 農業は「社会の役に立つ」 JA共済連が調査結果公表2025年12月19日 -
「農・食の魅力を伝える」JAインスタコンテスト グランプリは、JAなごやとJA帯広大正2025年12月19日 -
農薬出荷数量は0.6%増、農薬出荷金額は5.5%増 2025年農薬年度出荷実績 クロップライフジャパン2025年12月19日 -
国内最多収品種「北陸193号」の収量性をさらに高めた次世代イネ系統を開発 国際農研2025年12月19日 -
酪農副産物の新たな可能性を探る「蒜山地域酪農拠点再構築コンソーシアム」設立2025年12月19日 -
有機農業セミナー第3弾「いま注目の菌根菌とその仲間たち」開催 農文協2025年12月19日 -
東京の多彩な食の魅力発信 東京都公式サイト「GO TOKYO Gourmet」公開2025年12月19日 -
岩手県滝沢市に「マルチハイブリッドシステム」世界で初めて導入 やまびこ2025年12月19日


































