宮崎県日向市のみかん農園が「クラウド継業プラットフォーム」で後継者を募集 リレイ2022年10月19日
宮崎県日向市でみかん農園を営む「黒田農園」の黒田吉郎さん(69)は、まだ元気なうちに後継者に譲りたいという想いから「クラウド継業プラットフォーム relay(リレイ)」で後継者を募集している。
宮崎県の北東部に位置し、日向灘を臨み耳川流域に広がる森林など自然豊かな日向市は、平均気温が年間約17度と温暖で、日照時間も2000時間を超える。みかん栽培に恵まれた日向市で、農園を営む黒田さんは、現役のみかん生産農家だが、まだ元気なうちに後継者に譲ろうと事業承継を決めた。
農家の長男として生まれた黒田さんは、小さい頃から親の跡を継ごうと決めていた。みかんづくりをめざし農業高校に入り、卒業後は大分県国東市(当時は国東町)の農林水産省の研修所で1年間、みかんについて学んだ。
黒田さんが手掛けるみかんの品種は、青島温州みかんと田口温州みかん。両品種ともに完熟みかんで、収穫にこだわり、糖度で12〜13度以上のみかんを生産・出荷している。最初は手作業で夜まで消毒する日々が2週間くらい続き、その後除草剤をまき、終わったらまた消毒という毎日だったという。
そんな時に国の制度資金を活用して、念願の防除機械、スピードスプレーヤーを導入。「当時は、青島温州みかんは5キロで最高2500円程度の値がついたこともあり、ちょっとした青島旋風がおきていていたくらい」と黒田さん。青島温州みかんは、樹別交互結実栽培を実践して、有利な経営につなげている。当初は高温の宮崎県内では青島温州は不向きと言われていたが、今では交互結実栽培導入で高品質生産ができる。
今回の事業承継は3つあり、それぞれイノシシやシカ対策としてワイヤーメッシュが設置済みで、黒田さんの親戚と共同使用になるが貯水槽もある。賃貸借もあれば、売買できるところもあり、使う資材なども条件付で譲り受けることも可能。実際に事業承継できるのは3年後だが、この3年という期間には大きな意味がある。
黒田さんは「事業承継をするにもその場合、技術の習得等が必須条件となる。精神面から日頃の栽培面からアドバイスやサポートまた諸々の知識をるためにも、できれば1〜2年程度の熟慮期間、研修期間は必要かもしれない。そのようなことを考えて、研修生受け入れ等も検討している。また、研修等を考えると事業承継者にとって3年後というのは逆にメリットではないでしょうか」と説明する。
今後は研修生の受け入れや収穫や作業現場を見ることができる体験ツアーも検討。黒田さんは「研修生として来ていただいたら、親代わりになってとことんノウハウを教えたい。時には厳しくなることもありますが、そこは覚悟して乗り越えてください。みかん作りは自然相手で、人間相手とは違い言い訳はききません。一生懸命するのは自分です」と話している。問い合わせは、ライトライト(電話)0120-417-007、(メール)info@light-right.jpへ。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(146)-改正食料・農業・農村基本法(32)-2025年6月14日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(63)【防除学習帖】第302回2025年6月14日
-
農薬の正しい使い方(36)【今さら聞けない営農情報】第302回2025年6月14日
-
群馬県の嬬恋村との国際交流(姉妹)都市ポンペイ市【イタリア通信】2025年6月14日
-
【特殊報】水稲に特定外来生物のナガエツルノゲイトウ 尾張地域のほ場で確認 愛知県2025年6月13日
-
【注意報】りんごに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 岩手県2025年6月13日
-
SBS輸入 3万t 6月27日に前倒し入札2025年6月13日
-
米の転売 備蓄米以外もすべて規制 小泉農相 23日から2025年6月13日
-
46都道府県で販売 随意契約の備蓄米2025年6月13日
-
価格釣り上げや売り惜しみ、一切ない 木徳神糧が声明 小泉農相「利益500%」発言や米流通めぐる議論受け2025年6月13日
-
担い手への農地集積 61.5% 1.1ポイント増2025年6月13日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】生産者米価2万円との差額補填制度を急ぐべき2025年6月13日
-
井関農機 国内草刈り機市場を本格拡大、電動化も推進 農機は「密播」仕様追加の乗用田植え機「RPQ5」投入2025年6月13日
-
【JA人事】JA高岡(富山県)松田博成組合長を新任(5月24日)2025年6月13日
-
【JA人事】JAけねべつ(北海道)北村篤組合長を再任(6月1日)2025年6月13日
-
(439)国家と個人の『食』の決定権【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年6月13日
-
「麦とろの日」でプレゼント 東京のららぽーと豊洲でイベントも実施 JA全農あおもり2025年6月13日
-
大学でサツイマイモ 創生大学と畑プロジェクト始動 JA全農福島2025年6月13日
-
JA農機の成約でプレゼントキャペーン JA全農長野2025年6月13日
-
第1回JA生活指導員研修会を開催 JA熊本中央会2025年6月13日