「米国大豆バイヤーズ・アウトルック会議」東京で開催 アメリカ大豆輸出協会2024年11月19日
アメリカ大豆輸出協会(USSEC)は11月12日、今秋収穫した2024/25年度の米国産大豆の作柄や品質などを需要家に向けて報告するカンファレンス「米国大豆バイヤーズ・アウトルック会議」をThe Okura Tokyo(港区虎ノ門)で開催した。
米国大豆バイヤーズ・アウトルック会議2024の会場
同カンファレンスには、米国から大豆生産者、アメリカ大豆の輸入業者、大豆関連団体関係者と専門家が来日し、「2024年産米国大豆の品質」「世界の需要動向」「(SSAPアメリカ大豆サステナビリティ認証)」などについて幅広く報告。日本・アジアの需要家、商社・流通関係者、報道機関など約213人が参加した。
米国大豆生産者パネルに登壇した全米大豆基金財団 (USB) トーマス・フリッシュ氏(左)、アメリカ大豆協会 (ASA) チャールズ・アトキンソン氏(中央)とモデレーターのUSSEC ロズ・リーク 氏
2024年のアメリカ大豆の生産は、全般的にはよい状況で、生産者パネルに登壇したカンザス州、ミネソタ州の2人は「土壌を健全に保つために輪作で工夫しており、大豆はNon-GM(遺伝子組み替え体ではない)で栽培している」と紹介。また、穀物・油糧種子の米コバンク社リードエコノミスト、タナー・エムケ氏は、「世界の大豆生産量と消費量は過去最高を記録し、増加傾向にある。バイオ燃料用の大豆油の需要も世界的に高まっている」と世界の大豆概況を解説した。
日本の大豆需要動向について説明した農林水産省 大臣官房新事業・食品産業部食品製造課の二井敬司課長補佐
2024年産アメリカ大豆の品質について、米ミネソタ大学准教授のセス・ネイブ氏は「成育期の早い時期に過剰な降雨があり、その後干ばつが起きて、大豆の収量と品質に影響を及ぼした」と分析。「"As-is"タンパクと油分のレベルは非常に高い」と指摘した。
世界の需要動向を考えるうえでキーワードの一つが「エシカル」。イノバマーケットインサイツ ノースアメリカ バイスプレジデントのトム・ヴァアハイル氏は、大豆を使った商品で「消化器・腸の健康」との主張が韓国で増える一方、日本でも「腸内ケア」を謳う納豆が販売されるなど、機能性に注目した納豆の販売が伸びていると報告した。
SSAP最新動向については、USSECのローズ・リーク氏が「アメリカの大豆輸出全体に占めるSSAP出荷の割合は、日本・韓国が93%、ヨーロッパ99%」と報告。8月のSOY CONNEXT2024で、日本の18企業に「サステナブルなアメリカ大豆アワード」が授与され、SUSTAINABLE U.S. SOY認定マーク(ロゴ)を提供。すでに18社の400商品でロゴが使われている。USSECは、今後もサステナビリティに関する戦略に継続的に取り組んでいくことを伝えた。
プログラム
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日