スーパー従業員の97%が支持 カスハラ対策で名札の名前を非表示に ベルク2025年3月14日
関東エリアを中心に140店舗のスーパーマーケットを展開するベルクは、企業におけるカスタマーハラスメント(カスハラ)対策の取り組みとして、2月から同社の「ベルク」全店舗で従業員の名札を変更し、店内接客時の名前を非表示(STAFF表示)とした。一方、従業員同士のコミュニケーションの観点から、名札の裏面には名前を表示し、バックヤードでの作業時や休憩時においては、名札を反転して使用している。

近年、店舗への客によるカスハラ(執拗なクレームや過度な要求などの迷惑行為)やネットストーカー(SNSを利用した特定の従業員への付きまといや個人情報の拡散)が社会問題となっていることから、同社は従業員のプライバシーを守り、安心して働ける環境を整備するために、名札の名前を非表示に変更した。

店内接客時の名札の表面
同社で2024年に実施した従業員へのカスハラの実態調査では、全体の36%の従業員がこれまでに理不尽な暴言や叱責、大声で怒鳴られる等のカスハラを受けたことがあると回答。さらに、「名札(名前表示)があることで嫌な思いをしたことがあるか?」の設問には、全体の23.6%が「ある」と回答し、特に、チェッカー(レジ)部門では、責任者の52%が「ある」と回答した。また、従業員が会社に求めるカスハラ対策として、半数以上が「店内にカスハラ対策ポスターの掲示」と「名札の名前非表示」を望んでいる回答となった。

従業員のカスハラ実態調査と対策
調査結果を受けて、同社は2024年11月から10店舗で店内接客時に名札の名前を非表示にした運用を開始。10店舗で先行導入した結果、従業員の97%がこの取り組みを支持すると回答した。また、チェッカー(レジ)部門の67%、従業員全体の57%が「精神的負担の軽減を実感した」と回答。一方、「批判的な指摘があった」との回答は 2%にとどまり、カスハラ問題に対する企業の対応への理解が広がっていることも示された。
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