東急不動産と自然電力 営農型太陽光発電事業の新会社を設立2025年4月22日
東急不動産と自然電力は、営農型太陽光発電事業を共同で開発・推進する新会社、リエネ自然ファーム合同会社を設立した。また、新会社の第1号案件として、帯広畜産大学と北海道自然電力が実施する共同研究において、定格出力708.48kWの垂直式太陽光発電所を大学敷地内に設置し、その電力を帯広畜産大学に供給する電力供給等契約(農地転用許可申請中)を締結した。
帯広畜産大学のパイロット設備(2月竣工)
新会社は日本が抱える農畜産業に関する課題、エネルギー産業に関する課題を双方向から解決する事を目指し設立された。日本の農地面積は400万ha以上あると言われている一方、全国の農畜産業は後継者不足などによる人材不足に加え、昨今の不安定な国際情勢による肥料価格や燃料価格の高騰など経営圧迫の課題に直面しており、農地面積が減少傾向にある。
また、国が掲げるカーボンニュートラル達成に向け、地産地消電源として系統を介さず再生可能エネルギー由来の電力を直接活用するオンサイトPPA事業の重要性がより高まっている。特に日本は再生可能エネルギー発電に適した土地が少ないため、農畜産業を維持しながら新たに再生可能エネルギーを生み出せる営農型太陽光発電の導入が注目されている。
一方で、営農と発電を継続できる経営体制や長期安定的な収益性の維持確保といった点で事業モデルが確立されていないことや、日照条件等の変化による収量および品質への影響に関する調査が十分に行われていないことなど、営農型太陽光発電の拡大には解決すべき課題も多い
今回の提携では、東急不動産が持つ営農型を含む再エネ開発力と、自然電力の地域に根付いた事業推進力という両社の強みを掛け合わせることで、地域や農業生産に重点をおいた営農型太陽光発電事業の拡大を目指す。
新会社では、今後約2年間で合計10MWの開発を目標に掲げ、農業エリアで発電した再エネ由来の電気を地域の需要家に供給する地産地消モデルの確立を目指す。
事業の特徴
垂直式太陽光発電設備イメージ(2023年12月、自然電力が酪農学園大学敷地内に設置したもの)
同事業は、帯広畜産大学が実施するソーラーシェアリング実証研究の一環として行われ、土地に対して設備の専有面積が少ない垂直式太陽光発電を採用。さらに、設置方位によって発電のピークを朝や夕方にシフトすることが可能かつ地面からの反射(特に積雪時)による発電量の向上も見込まれ、従来の営農型と比べ、収益と収量両方の安定的な確保が期待できる。
さらに、設置場所である帯広畜産大学の農場運営においても大学とJA帯広かわにしの、持続可能な農畜産業とGXを両立できる環境が整っていることから、同事業実施に至った。なお、定格出力708.48kWは、垂直式太陽光発電としては国内最大規模となり、新会社が目指す開発目標のモデル事例として位置付けている。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(146)-改正食料・農業・農村基本法(32)-2025年6月14日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(63)【防除学習帖】第302回2025年6月14日
-
農薬の正しい使い方(36)【今さら聞けない営農情報】第302回2025年6月14日
-
群馬県の嬬恋村との国際交流(姉妹)都市ポンペイ市【イタリア通信】2025年6月14日
-
【特殊報】水稲に特定外来生物のナガエツルノゲイトウ 尾張地域のほ場で確認 愛知県2025年6月13日
-
【注意報】りんごに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 岩手県2025年6月13日
-
SBS輸入 3万t 6月27日に前倒し入札2025年6月13日
-
米の転売 備蓄米以外もすべて規制 小泉農相 23日から2025年6月13日
-
46都道府県で販売 随意契約の備蓄米2025年6月13日
-
価格釣り上げや売り惜しみ、一切ない 木徳神糧が声明 小泉農相「利益500%」発言や米流通めぐる議論受け2025年6月13日
-
担い手への農地集積 61.5% 1.1ポイント増2025年6月13日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】生産者米価2万円との差額補填制度を急ぐべき2025年6月13日
-
井関農機 国内草刈り機市場を本格拡大、電動化も推進 農機は「密播」仕様追加の乗用田植え機「RPQ5」投入2025年6月13日
-
【JA人事】JA高岡(富山県)松田博成組合長を新任(5月24日)2025年6月13日
-
【JA人事】JAけねべつ(北海道)北村篤組合長を再任(6月1日)2025年6月13日
-
(439)国家と個人の『食』の決定権【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年6月13日
-
「麦とろの日」でプレゼント 東京のららぽーと豊洲でイベントも実施 JA全農あおもり2025年6月13日
-
大学でサツイマイモ 創生大学と畑プロジェクト始動 JA全農福島2025年6月13日
-
JA農機の成約でプレゼントキャペーン JA全農長野2025年6月13日
-
第1回JA生活指導員研修会を開催 JA熊本中央会2025年6月13日