「スポットワーク」活用 農業の担い手確保事業を開始 富山県2025年5月1日
株式会社Matchbox Technologiesが提供する、企業が自前でスポットワーカーを登録・採用・管理できるセルフソーシングSaaS「matchbox(マッチボックス)」が、富山県が運営する自治体公式就業プラットフォーム「富山あぐりマッチボックス」に採用され、4月から正式事業として運用が始まった。

「マッチボックス」は現在、新潟県など8県13自治体が自治体公式の就業プラットフォームとして運用している。
富山県が運営する農業専門のスポットワーク求人サービス「富山あぐりマッチボックス」は、富山県が募集する実証実験プロジェクト「Digi-PoC TOYAMA(デジポックとやま)」の令和6年度のテーマ「農業の担い手確保」に採択され、2024年11月1日から2025年2月28日まで実証実験が行われた。
「富山あぐりマッチボックス」では、営農事業者が事業者登録および1日・数時間単位で求人登録を行い、働き手は求人をデジタルで簡単に閲覧・応募できるようになる。「富山あぐりマッチボックス」による柔軟な働き方は、り就農希望者の心理的・時間的ハードルを下げ、営農事業者の労働力の確保や「就農体験」を足掛かりとした長期的な雇用就農につなげることを目的としている。
富山県では4か月間の実証実験を通じ、県内の営農事業者の約15%にあたる116の事業者が「富山あぐりマッチボックス」に登録。また、県外在住者を含む62人の働き手が「富山あぐりマッチボックス」を通じて採用され、合計で229件の採用、1140時間の労働時間を生み出した。
「マッチボックス」には、OBOGや退職者、再度勤務してほしいスポットワーカーなどを登録する「友だち登録機能」がある。これは、事業者と働き手の相互の合意のもと「友だち登録」をすると事業者は友だち限定で求人を出すことができるもので、一度働いた人が同じ事業者で繰り返し働きやすくなる。実証実験では、「富山あぐりマッチボックス」での友だち登録者は61人となり、多くのリピート就農者がうまれた。また、リピート就農者は平均して月に約7回の応募しており、富山県の農業への興味を生んだ。
一方、採用を行った営農事業者からは、掲載から応募までのスピード感やニッチな産業ながら幅広い年代から応募があることによる驚きの声も。実証実験期間ですでに長期雇用につながった事例もあり、担い手確保の一助になっているとの意見があった。
働き手では、応募・採用ともに20代が最多。一般的には若い働き手が不足していると言われる農業だが、1日・数時間単位からという柔軟な働き方を実現することで、農業に関心を持つ若い働き手の就農にもつながっている。
同社は「富山あぐりマッチボックス」の正式な事業化を受け、地域に根差す就農インフラをめざし、富山県と協力して活用を加速。また、将来的には宿泊業や福祉事業等、農業以外の産業への展開も視野にいれ、さらなる労働力不足の課題解決につなげる。
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