流通:食は医力
第50回 頭の中も外も健やかに2013年4月12日
・髪にまつわることわざの数々
・海藻・ゴマ・大豆が最重要三人組
・大いに笑いストレスは少なく
この連載も早いもので50回目を迎えてしまいました。特段のテーマが思い浮かばないので、以前、取り上げた毛髪について再論しようと思います。あれから三年、個人的にもいよいよ重大関心事となっているので。
そもそも日本では美しい髪が美人の必要条件でした。つややかな黒髪は『源氏物語』の世界からしても、女性の命でもあったわけです。
髪がいかに大事であるかは髪にまつわることわざの多さからもわかります。
たとえば江戸時代から「髪の長きは七難隠す」と言われてきました。「髪の結いたて親でも惚れる」ともいい、似たようなのに「湯上がりの髪には坊主も惚れる」というのがあります。昔、湯上がりの髪はさぞ色っぽかったのでしょう。
「苦爪楽髪(くづめらくがみ)」というのもあります。苦労しているときは爪が速く伸び、楽していると髪が速く伸びるというのですが、明治時代にはよく言われたことわざです。楽するは栄養が良いことにつながり髪が速く伸びるということでしょう。
ついでに英語のも一つ紹介しましょう。No hair so small but has his shadow. 些細なものも軽んずべからずというところでしょうか(ほかの意味もありますが略)。
◆男性ホルモンと女性ホルモン
髪は長?い友達というコマーシャルがありましたが、長い友達がどんどん去っていくのは寂しいものです。男性ホルモンが多いほど抜け毛が多いという学説が正しいとしても、なぜそんな理不尽なことがまかり通るのか、誰も説明してくれません。
女性ホルモンが多いほど髪は豊かであり続けると言っても、髪の薄くなった女性が常に男っぽいということでもなし、逆に若い頃から髪が薄くなった男友達がみなマッチョ的だったとも思えないので、ホルモン談義はここまでにしてと。
髪の質と量を保証するものとしてよく言われるのは[1]食べ物、[2]精神面、[3]清潔およびマッサージ、の三つです。
◆海藻・ゴマ・大豆が最重要三人組
まず食べ物は極めて重要です。栄養が毛根に行かなければ草木に実がならず花が咲かない道理です。個人的には海藻、ゴマ、大豆が最重要三人組だと思っていますが、要するに良質の蛋白としての必須アミノ酸、微少ミネラル、ビタミン類などが毛髪にとって大事な栄養素ということになります。
逆に良くないのが陰性食品で、白砂糖の摂りすぎ、酒の飲みすぎは厳禁です。私の友人でお酒大好き人間はだいたい若い頃から額が広くなっていました。陰性食品は毛根を緩めるので抜け毛につながりやすいのです。
そもそも髪の毛が薄くなるのは病気とはみなされず、病因に行っても円形脱毛症かひどいフケ症状くらいしか相手にしてもらえません。それも副腎皮質ステロイドを処方されるのが関の山ですが、良心的な医師は糖分の摂りすぎには注意するようにとアドバイスしてくれるはずです。
◆大いに笑いストレスは少なく
[2]精神的な面は無視できません。ストレスは髪に良いことはなく、楽しく生活し、ぐっすり眠って副交感神経を活発化させることが大事です。大いに笑うことで脱毛はだいぶ防げるはずです(柳家金悟楼は笑わせはしたが自ら笑うのはまれだったとか)。
[3]の清潔は大事ですが、必要以上に頭を洗いすぎるのは逆効果らしい。二回に一回はぬるま湯のみの洗髪にしてみてはいかがですか。
ホームレスの人たちは皮肉にもほとんど髪の毛ふさふさですが、これは洗髪の重要性を一部否定するとともに、ストレスを少なくすることの重要性を証明しているのでは?
とはいえマッサージは大事です。良い油で(たとえば椿油)、指先か櫛(できればツゲの櫛)で優しくマッサージするのは悪いはずはありません。髪の状態が良いと精神的にも安定するという好循環が働きます。頭の中も外もいつまでも健やかでありますように。
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