新たな土壌流亡対策を公開 農研機構2020年11月18日
農研機構は北海道立総合研究機構と共同で、営農作業の中で容易に実施できる土壌流亡対策を策定。これをもとに、土壌流亡対策の留意点などを示したパンフレットを農研機構のホームページで11月16日から公開している。
2つの技術を合わせた土壌流亡対策
近年の気候変動による集中豪雨の多発で、丘陵地形の畑作地帯では土壌流亡の被害が甚大化し、早急な対応策の確立が急務となっている。しかし、ほ場の傾斜を緩やかにする勾配修正などの基盤整備は、時間と費用がかかることから、生産者が手軽に実施できる土壌流亡対策が求められていた。
そこで、農研機構と北海道立総合研究機構は、生産者が通常の営農作業の一環として取り組め、かつ効果的に傾斜畑の土壌流亡を抑制できる対策を策定した。
共同研究では、営農排水改良機の「カットシリーズ」と、耕耘時に緑肥・刈株を部分的に温存する部分不耕起帯設置「ドットボーダー・プロテクト」を併用した現地実証を実施。その結果、対策をしなかった場合と比べ土壌流亡を最大8割削減し、それぞれ単独で実施するよりも土壌流亡抑制効果が向上することが分かった。
土層改良には、麦などの収穫残渣を疎水材に利用する有材補助暗渠機「カットソイラー」などを使い、堅密土層を破砕して浸透性を高めることで、表面流去水の発生を抑制する。
部分不耕起帯の設置では、土壌流亡しやすい地点にライン状やドット状に不耕起帯のボーダー(土堤)を配置することで、浸食耐性の改善がみられた。
パンフレットには、土層改良と部分不耕起帯設置を併用した土壌流亡対策の留意点のほか、北海道美瑛町の畑輪作における実施スケジュールの事例を公開している。
この成果については、ウェブ配信による農研機構農村工学研究部門令和2年度実用新技術講習会及び技術相談会で、11月24日まで紹介している。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日