テンサイ新品種「カチホマレ」を育成 農研機構2021年3月23日
農研機構は、テンサイの重要病害である黒根病と褐斑病に対し、北海道の優良品種の中で最も強い抵抗性を有するテンサイ新品種「カチホマレ」をスウェーデンの種苗会社MariboHilleshög Researchと共同育成した。黒根病が発生しやすく、褐斑病の適期防除が困難になりやすい排水不良畑を中心に作付けすることで被害軽減が期待される。
新品種「カチホマレ」の外観(左)、黒根病激発条件での地上部生育(2016年)
新品種「カチホマレ」は農研機構の黒根病と褐斑病抵抗性に優れる種子親「JMS72」と、MariboHilleshögのそう根病抵抗性の花粉親「POLL-5015」を交配した一代雑種品種。抽苔耐性も改良されていることから、これまでは当年抽苔が発生する懸念があるため、黒根病抵抗性"強"の「北海みつぼし」の導入が難しかったオホーツク沿海地域での作付けが可能となった。
全道5か所の健全畑で実施した生産力検定では、「カチホマレ」は「北海みつぼし」や褐斑病に対し強い抵抗性を有する「リボルタ」に比べ、糖量がやや少ない傾向が見られた。また、排水不良が確認された生産者の畑で行った試験では、「カチホマレ」は黒根病の発生が「リボルタ」よりも少なく、糖量は「リボルタ」よりもやや多い結果となった。
「カチホマレ」の栽培上の留意点としては、根腐病抵抗性がやや弱であることから、適切な防除が必要としている。
これらの結果から、排水不良地帯を中心に「リボルタ」の一部ならびに「北海みつぼし」のすべてと置き換え「カチホマレ」を普及することで、テンサイの生産や生産者所得の安定に寄与できるとしている。「カチホマレ」は2020年から普及が始まり作付け実績は約600ha。2021年以降は毎年約500haの作付けを見込んでいる。
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