NEXTAGE、わさびの自動栽培で「ヤマハ発動機賞」受賞「アグリテックグランプリ2021」2021年9月24日
わさびの自動栽培に取り組むアグリテックベンチャーの株式会社NEXTAGEは、9月18日に開かれた「アグリテックグランプリ2021」で、「ヤマハ発動機賞」を受賞。「遠隔栽培管理技術を活用した植物工場でのわさび栽培」への取り組み内容が評価された。
ヤマハ発動機の大東氏(左)と受賞したNEXTAGEの中村氏
大学や研究機関、企業の研究所では科学技術の「種」が生まれているが、実用化に向けて芽を出すには大きな努力を要する。株式会社リバネスとパートナー企業が開催する「テックプランター」は、これを発掘し、ビジネスまで芽吹かせるプランターとしての役割を担う。
「アグリテックグランプリ21」は、食、農、環境、水資源、バイオマスなどリアルテック領域の技術シーズと起業家の発掘育成を目的としたプログラム。当日は、「テックプランター2021」に応募した316チームの中から選ばれたファイナリスト12チームの審査が行われた。
NEXTAGEは、わさびの自動栽培ソリューションの開発に取り組むアグリテックベンチャー企業。代表の中村拓也氏が毎年旅行で訪れていた地域のわさび田の荒廃を目の当たりにし、強い懸念を持つようになったことがきっかけで、最高峰の国産わさびといわれる「真妻種」発祥の地 旧真妻村(現印南町川又)を訪れ、2019年より真妻種の栽培を始めた。中村氏は、日本の食だけでなく、文化や技術を伝え、様々な企業と繋がり、日本が誇る「わさび文化」の継承と発展、100年後の未来の子供たちに「本物のわさび」を残したいという想いで、屋内環境での人工光による栽培を始め、試験栽培と商品化に取り組んでいる。
今回、NEXTAGEは栽培環境に関するデータや各種デバイスから得られる情報を、同社が開発した栽培管理システムに集約することで、遠隔地からの栽培進捗管理や、剪定作業等の判断が行える環境を整備して行うわさび栽培を提案。今後、カメラやIOTセンサー等の各種デバイスから得られるデータセットを活用し、情報分析によるPDCAサイクルの高速化や、AI活用による栽培環境の制御・収穫・出荷などを含めた一部作業の自動化をめざしている。審査では、その海外展開を含む事業の将来性と実行への熱意を高く評価された。
審査したリバネス農林水産研究センター センター長の宮内陽介氏は「NEXTAGE社の取り組みは、アジア圏をはじめ海外でわさびの需要を実感している弊社メンバーから事業の将来性についてポジティブな意見が多数あがった。これからも、遠隔栽培技術を活用した現地栽培でのわさびの供給に向けたNEXTAGE社の取り組みについて様々な面からサポートできれば」とコメント。また、「ヤマハ発動機賞」に選定したヤマハ発動機 技術・研究本部 NV・技術戦略統括部主査の大東淳氏は「海外赴任の経験からわさびの海外での入手の難しさや品質面のもの足りなさを感じていた。事業の将来性や取り組まれている技術の価値を評価すると共に、日本の王道を世界にしっかりと届けていきたいという熱意を大変強く感じ、ヤマハ発動機賞として選定した」と話した。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日